お酒の飲みすぎは二日酔いによる具合の悪さにプラスして、体臭まで悪化させてしまう厄介なものです。
● 周りにクサイと思われていないか気になる
● 一刻も早くこの酒臭さを消し去りたい
● 二日酔いじゃないのに、体臭が酒臭くなってきた
そんなお悩みはありませんか?
二日酔いでは、そのニオイで自分が気持ち悪くなるのはもちろんのことですが、実は周りの人はもっと迷惑に感じているもの。
また、深酒を習慣にしている人は、二日酔いにならなくても日頃の体臭が酒臭くなっている可能性大です。
アルコール臭い体臭で他人に煙たがられる前に、どうにか対策をうちたいですね。
この記事では、
- お酒を飲むと体臭がきつくなる理由
- 酒臭くならないための予防策
- 二日酔いの体臭を軽くする方法
- 日頃の体臭が酒臭くならないためのお酒の適量
などについて解説していきます。
この記事が酒臭さから解放される手助けとなりますように。
\二日酔いの朝も気分サッパリ/
お酒が体臭を悪化させる4つの理由
お酒を飲むと体臭が悪化するのですが、とりわけ二日酔いのときはニオイが最悪な状態になっています。
その理由はこちらの4つ
- アセトアルデヒドと酢酸によるもの
- 体温の上昇
- 中性脂肪の増加
- 活性酸素の発生
ひとつずつ見ていきましょう。
理由1:アセトアルデヒドと酢酸によるもの
二日酔いによる体臭悪化の原因第一位はなんといっても、アセトアルデヒドによるものです。
アルコールが肝臓で分解される際、アルコール脱水素酵素の働きでアセトアルデヒドという物質に変化します。
アセトアルデヒドは無色ですが、ひどい刺激臭がします。
このアセトアルデヒドがさらにアルデヒド脱水素酵素により、ツンとしたすっぱい刺激臭をもつ酢酸という物質へ分解されます。
そして酢酸は最終的に水と二酸化炭素に分解されて、汗や尿などの体内の水分と一緒に排泄されます。
しかしこれは、適量のお酒を飲んだときのお話です。
問題なのはここから。
大量にお酒を飲みその許容量を超えると、アセトアルデヒドの分解が間に合わず体内に残ります。
体内に残ったアセトアルデヒドは
さらに、毛穴という毛穴から、
また、酢酸も分解しきれずに血液を使って全身を巡り、ツンとしたすっぱい刺激臭の体臭と化します。
理由2:体温の上昇
お酒を飲むと、なんだか体がポカポカしますよね。
これはアルコールにより血管が拡張し、血流がよくなるためです。
さらに、体温調節中枢を刺激して、発汗を促すため汗をかきやすくなります。
汗をかくと雑菌の繁殖を招きますので、体臭の悪化につながります。
さらに、ワキガ臭の原因となるアポクリン汗腺からの発汗も促します。
アポクリン汗腺から出る汗はタンパク質や脂質を含んでいるため、雑菌のエサとなりさらにニオイがきつくなるのです。
また、二日酔いの時の汗はアセトアルデヒドを含んでいるので、一層ニオイはきついものとなってしまいます。
理由3:中性脂肪の増加
慢性的にアルコールを摂取することで、血中の中性脂肪が増加し、やがて脂肪酸へ変化します。
加齢臭の原因物質である「ノネナール」は、皮脂に含まれる「パルミトレイン酸」のような脂肪酸が活性酸素によって酸化され、皮膚常在菌によって分解されることで発生します。
そのため、中性脂肪の増加は加齢臭の発生につながるので侮れないのです。
理由4:活性酸素の発生
アルコールを肝臓で分解する際に、大量の酸素を消費します。
その結果発生するのが、活性酸素です。
活性酸素はノネナールの発生に拍車をかけるので、体臭は悪化するのです。
このようにたくさんの理由が重なり、お酒を飲むことで体臭や加齢臭の悪化を引き起こします。
では、どうにかしてお酒による体臭を軽くする方法はないのでしょうか。
次は、少しでも体臭を酒臭くさせない予防策についてご紹介していきます。
【事前対策】酒臭くならないための予防策5選
お酒を飲む前に何も対策をしないでいると、肝臓が悲鳴を上げて酒臭い体臭をかもしだすことになりかねません。
少しの工夫や手間でアセトアルデヒドの分解を進めることができるので、ぜひ取り入れてみてください。
予防策はこちらの5つ
- 飲酒前にウコン飲料を飲む
- シジミ汁を飲む
- 牛乳やヨーグルトを口にしておく
- 水分をたくさん摂る
- 何か食べながら飲酒する
ひとつずつ見ていきましょう。
1:飲酒前にウコン飲料を飲む
ウコン飲料は飲み会前には必ず飲む、という人も多いのではないでしょうか。
コンビニやスーパーでも手軽に購入できる「ウコンの力」や「ヘパリーゼ」には肝臓の働きをサポートしてくれる成分がたくさん含まれています。
酒臭い体臭の元凶であるアセトアルデヒドの分解もスムーズにしてくれるので、飲酒前にはぜひ飲んでおきましょう。
2:シジミ汁を飲んでおく
しじみに含まれるオルニチンは、肝臓にアルコールがあるときに分解を助けてくれます。
そのため、すでにアセトアルデヒドが体内をめぐっているときに飲んでも意味はありません。
シジミ汁はお酒を飲む前や、飲酒中に飲むことが肝心なのです。
帰宅後すぐに飲むか、家飲みのとき限定って感じかな
3:牛乳やヨーグルトを口にしておく
乳製品に含まれる乳脂肪分が胃腸の粘膜を保護し、アルコールが吸収されるスピードを遅らせてくれます。
また、タンパク質が肝臓の働きをサポートしてくれるため、アルコールの分解促進が期待されます。
飲酒前に小腹がすいていたら、お菓子などではなく牛乳やヨーグルトを口にしておきましょう。
4:水分をたくさん摂る
お酒を飲むと異常にのどが乾きませんか?
また、トイレに行く回数も極端に増えますよね。
これは、
- アルコールを分解するときに大量の水分を必要とすること
- アルコールのもつ利尿作用によるもの
が大きな理由です。
そのため、飲酒をするとどうしても体中の水分が奪われ、脱水状態になります。
アルコールの分解に水分が必要なのに、脱水状態ではうまく分解ができません。
アルコールの分解を進めるために、
お水やウーロン茶をチェイサーとして飲んだり、お酒もロックではなく水割りやお湯割りで飲むといいですね。
間にお水を挟むことで、お酒自体の摂取量も減らせるので一石二鳥です。
5:何か食べながら飲酒する
何も食べずに、ただアルコールだけを摂取すると
- 胃腸が刺激され粘膜が荒れる
- アルコールが吸収されやすく、血中アルコール濃度が急激に上がる
という弊害があります。
すぐに酔いが回る上に肝臓にも負担がかかるため、必ず何かを食べながら飲むようにしましょう。
また、食べ物には水分がたくさん含まれているので、自然と水分補給もできるんですよ。
にんにくたっぷりの餃子など、ニオイの強い食べ物は体臭にも響きます。
ニンニク臭などのニオイ成分は血液中に溶け込み、皮膚ガスとして放出されるため、アセトアルデヒドと混ざり合って最悪な体臭になるので要注意です。
以上の5つが事前にできる対策術です。
しかし、
● うっかりウコンを飲み忘れた!
● チェイサーを飲むのを忘れていた!
● つまみよりもお酒ばかり飲んでしまった!
ということもあるでしょう。
そんな場合は、次にご紹介する事後対策をやってみてください。
【事後対策】二日酔いの体臭を軽くする5つの方法
二日酔いになるほど飲まないのが一番の解決策ですが、たまには羽目をはずすほど飲みたいときや仕事上の諸々で飲まざるを得ないこともありますよね。
そんな時は次にご紹介する方法で、二日酔いの体臭を軽くしましょう。
- 水分をたくさん摂る
- グレープフルーツジュースを飲む
- リンゴジュースを飲む
- シャワーで洗い流す
- こまめに汗を拭く
ひとつずつ見ていきましょう。
1:水分をたくさん摂る
前述したとおり、アルコールの分解にはたくさんの水分が必要です。
水分がたくさんあることでアルコールの分解・代謝が促進される上に、トイレの回数も増えるため、体臭の元となるアセトアルデヒドや酢酸を尿と一緒に排出することができます。
水分補給の際は水やお茶はもちろんのことですが、次に紹介するグレープフルーツジュースやリンゴジュースを積極的に飲むのをおすすめします。
どうしてかと言うと・・・
2:グレープフルーツジュースを飲む
グレープフルーツは二日酔いの体臭軽減に効果があるんです。
その理由は
- ビタミンCでアセトアルデヒドの分解が促進される
- 果糖の「フルクトース」がアルコールの分解を助ける
- 苦み成分「ナリンギン」でアルコールの分解が促進される
- カリウムに利尿作用があり、体内のアセトアルデヒドなどを排出できる
ためです。
グレープフルーツそのものを食べるのはなかなかハードルが高いですが、ジュースなら気軽に飲めますよね。
3:リンゴジュースを飲む
リンゴに含まれるビタミンCとクエン酸が、アセトアルデヒドの分解をサポートしてくれます。
また、アップルフェノンというポリフェノールが酒臭い口臭も防いでくれるので、体臭と一緒に口臭もケアできます。
お酒をたくさん飲んだ翌日、強烈な口臭に襲われたことはありませんか? 息が臭い上に口の中がカラカラでねちっこい 胃の中から込みあがってくるような酒臭さがある これから仕事だから、酒臭い息をどうにかしたい[…]
これらの働きが期待できるので、二日酔いで体臭が気になるときは、グレープフルーツジュースやリンゴジュースに頼るのもありですね。
Doleやトロピカーナのものがスーパーやコンビニにありますので、二日酔いで体臭がひどい時は探してみてください。
4:シャワーで洗い流す
分解が間に合わず体内に残ったアセトアルデヒドや酢酸は、汗や皮膚ガスとして体表へ排出されます。
それを皮膚にまとったまま会社へ行くと、オフィス内で二日酔いのニオイを醸し出すことになります。
そうなっては周りの同僚たちから煙たがられますので、出勤前にシャワーで体表面についたニオイ成分を落としておきましょう。
寝汗に含まれたアセトアルデヒドなどを洗い流しておくことで、だいぶ酒臭さは消えるはずですよ。
飲みすぎたときは、入浴やシャワーは控えましょう。
血中のアルコール濃度が高くなっているため、血液が筋肉まで分散してしまい、アルコールの分解が遅れることにつながります。
千鳥足から転倒のおそれもありますので、酔いがさめるまで入浴は控えてくださいね。
5:こまめに汗を拭く
出勤前にシャワーでアセトアルデヒドや酢酸を含んだ汗を洗い流しても、そのあとも汗は分泌し続けています。
その汗をそのままにしておくと酒臭い体臭を放出することになるので、こまめに皮膚を拭くようにしましょう。
拭く際は乾いたハンカチより、市販のボディシートのほうがスッキリ感が増すでしょう。
香り付きだと酒臭さと混ざって悪臭になりかねませんので、無香料のシートで拭くようにしてくださいね。
アルコールの適量を守ろう
お酒を飲んだ翌日に酒臭い体臭になっているということは、適量を超えていることを意味します。
厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」として、一日の平均純アルコール量を20g程度としています。
ちなみにこれは男性に対しての基準ですので、女性や高齢者は10~14g程度に抑えるのが良いようです。
純アルコール量の確認方法
純アルコール量はお酒の缶に明記されています。
だいたいの商品でカロリーの下あたりに書かれていますので、購入の際に確認してみてください。
たくさん飲みたい!というときは、あえて度数の低いものを選ぶといいですね。
書かれていない時の計算方法
缶に純アルコール量が書かれていない場合は、計算で求めることもできます。
□ml × アルコール度数 × 0.8 = 純アルコール量
(例)350ml、アルコール度数7%のチューハイの場合
350ml×0.07(7%)×0.8=19.6g
ということで、純アルコール量は19.6gとなります。
度数は1/100にして計算してくださいね。
アルコールの分解時間は?
でも、今日はたくさん飲みたいんだ!
だけど次の日、お酒臭くなるのは嫌なんだ!
という場合は、アルコールの分解にかかる時間を知ることで、酒臭い体臭から逃れることもできます。
要は寝ている間にアセトアルデヒドの分解を終わらせて、出勤時には酒臭い体臭が消えている状態にすればいいのです。
肝機能が正常な体重60kgの成人男性の場合、
500mlのビール1本:約3時間半
500mlのビール3本:約10時間
アルコールを分解するのにかかるそうです。
1時間で分解できるアルコール量は
体重×0.1
で求めることができます。
体重60kg×0.1=6g
体重60kgの成人男性は、1時間で6gのアルコール量を分解できるということになります。
つまり、
夜10時までに飲み終えて、翌朝6時までに酒臭さをなくしたいのであれば、8時間で分解できる量を飲めばいいのです。
6g×8時間=48g
8時間で48gのアルコール量を分解できる、ということになりますね。
この48gを元に、純アルコール量を足していくといいでしょう。
ワンポイント
上記の例以上に時間がかかる人もいますし、女性や高齢者の場合ももっと多くの時間を要します。特にお酒を飲んですぐに顔が赤くなる人は、アルコールの分解が得意ではありませんので、上記の量よりも少なめにしたほうがいいでしょう。
車を運転する方も少なめを意識してくださいね。
どのくらいまでなら大丈夫か、というのを把握しておいしくお酒が飲めるようにしたいものです。
まとめ
お酒を飲みすぎると肝臓に負担がかかり、アセトアルデヒドや酢酸のツンとしたニオイが、体中からあふれ出てくることになります。
二日酔いで具合が悪いだけでなく体臭悪化に悩まされ、さらには周りの人にも酒臭さで迷惑をかけてしまいます。
お酒を飲むときは翌日のことも考えて、適量を守るようにしましょう。
しかし、たまにはたくさん飲みたい日もあるでしょう。
そんな時は、しじみ汁やウコン飲料に助けてもらうのもありです。
あなたにとって、お酒が楽しいものでありますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。