アンドロステノンというニオイ物質を知っていますか?
このニオイは不思議なことに、人によって感じ方がバラバラなんです。
男性にとってはリラックス効果がある一方で、女性にとっては不快でストレスを感じさせるニオイなのだとか。
この記事では
- アンドロステノンの基本情報
- アンドロステノンの特性
- 有効成分はあるのか?
- 内と外からの対策法
などについて深掘りしていきます。
最後まで読めば、アンドロステノンに対する知識が深まりますよ。
アンドロステノンとは何者?
男性臭の代表といえば、加齢臭やミドル脂臭を思い浮かべますが、このアンドロステノンも忘れてはいけません。
まずは、アンドロステノンが何者なのか知っていきましょう。
そのニオイは、
「甘い、バニラのよう、森林みたい」と良い香りと感じる人がいる一方で、
「不快、尿みたい、ツンとする、ムッとする」というふうに嫌な匂いと感じる人もいて、まさに千差万別なんです。
主に男性です。
アンドロステノンは男女ともに汗に含まれる物質ですが、男性ホルモンのテストステロンが体内で分解される際に生成されるもののため、男性の汗のほうがより高い濃度で含まれています。
実はモテフェロモンのニオイ
アンドロステノンのニオイは不快に感じる人もいる反面、
アンドロステノンはオス豚のフェロモン物質として知られていて、オス豚の唾液に多く含まれています。
興奮状態のメス豚がこのニオイを嗅ぐと、交尾の姿勢をとることからフェロモン物質として知られています。
人においても同様のことが言えるようで、男性の脇の下で多く分泌されます。
排卵期の女性がこのニオイを嗅ぐと、男性をより魅力的に感じる可能性があるそうですよ。
そして、このアンドロステノンはムスクのニオイと同じなんですって。
ムスクは「魅惑的な香り」といううたい文句で、モテ香水として販売されています。
なるほど、アンドロステノン=モテフェロモンというわけなんですね。
ワンポイント
ムスクはジャコウ鹿の香嚢(こうのう)という部位から得られる分泌液を原料にした動物性香料なんです。
そのままでは、アンモニア臭や獣臭がきつく人間には不快なニオイのため、乾燥させてから香料として利用されるんですって。
あまり嗅ぎたくないな、と思うのは私だけでしょうか・・・
ただし、本物のムスクの香水は高級品であるため、流通しているほとんどが合成ムスクの香水だそうです。
・・・よかった。
女性だけが不快に感じている
ムスクの原料にもなるほどなのに、このアンドロステノンのニオイは大部分の女性には不快なんです。
冒頭でも述べたとおり、アンドロステノンのニオイは人によって感じ方がバラバラです。
それは嗅覚受容体遺伝子の配列によって、「快」か「不快」か感じ方が分かれるかららしいので、もうどうしようもありませんね。
アンドロステノンの香りを嗅いだ場合、脳波上、
男性は鎮静の脳波を出すのに対し、女性は覚醒の脳波を出すそうです。
つまり、
一方で、
ということ。
女性にはストレスになるニオイでも、そのニオイを発している男性本人は心地よくなっているため、ケアも怠りがちに。
だって、クサイって思わないんだから仕方ないですよね。
しかし、それではダメなんです。
なぜなら、アンドロステノンにはこんな悲しき特性があるから・・・
他のニオイと混ざって、さらに悪臭になる
という悲しき特性があるのです。
さらに、脂肪酸などの他のニオイ成分のニオイも強くし、不快度を増幅させてしまいます。
また、タバコ臭や部屋の生活臭などとも混ざり合い、ニオイは悪化の一途をたどるのです。
自分では気付きにくいニオイですが、汗っかきで皮脂が人一倍多いのであれば、アンドロステノンのニオイを大いに醸し出している可能性大ですね。
ワキガ体質の男性は特に要注意
アンドロステノンの元になるのは、アポクリン汗腺からの汗です。
アポクリン汗腺から出る汗は脂質やタンパク質を多く含んでいるため、皮膚常在菌によって分解されるとワキガ特有のニオイとなります。
ワキガ臭とアンドロステノンのニオイが混ざり合って、最悪のニオイになってしまいます。
ワキガ対策と一緒に、アンドロステノンのニオイも予防していきましょう。
有効成分はあるの?
アンドロステノンのニオイに有効な成分は、現時点で公表されているものだと以下のふたつになります。
クララエキス
クララとは、苦参(くじん)とも呼ばれる多年草の植物で、その根から抽出されたエキスをクララエキスといいます。
抗菌作用、美白作用、抗炎症作用などの効能があるそうです。
サントリーは「アンドロステノン」に対する吸着率の実験を実施。
47種類のポリフェノール含有エキスの中から最も効果が高かったのが、マメ科の植物クララから抽出した
「クララエキス」です。引用元:https://www.suntory-kenko.com/contents/brands/varon/bodysoap/column/danseisyu/
このクララエキスには、ポリフェノールの一種であるフラボノイドが含まれていて、アンドロステノンのニオイを吸着して消臭してくれる働きあるそうです。
しかも、他のポリフェノール含有エキスよりも効果があることがサントリーさんの実験によりわかりました。
クララエキスを配合した商品をサントリーさんが開発されています。
キョウニンエキス
古いデータですが2004年、生活用品メーカーであるライオンさんから「キョウニンエキス」にアンドロステノンの発生を抑える効果があると発表されました。
キョウニンエキスとはアンズの種子からとれるエキスで、喘息や咳に効く薬として昔から使われてきました。
また、保湿効果や肌のバリア機能保持、美白効果が高いことから様々なスキンケア用品にも使用されています。
アンドロステノンはアンドロステロン硫酸塩が皮膚常在菌によって分解されることで発生します。
キョウニンエキスには、皮膚常在菌がアンドロステロン硫酸塩を代謝しないよう抑制する作用があるということがライオンさんの実験によってわかったそうです。
つまり、代謝しないからニオイの発生も抑えられるということなんですね。
アンドロステノンの抑制を大々的に売り出しているボディソープは見つかりませんでしたが、キョウニンエキスを配合している石けんがありました。
炭の吸着力で毛穴の奥の皮脂や汚れを取り除きつつ、キョウニンをはじめとする和漢植物抽出液でお肌にうるおいを与えるというものです。
レビューには「加齢臭に効く」「顔の脂分もスッキリ落とせる」「皮脂も臭いも取れるのに、肌がガサガサにならない」といったものがありましたよ。
内側からの対策法
体臭全般に言えることですが、やはり食生活と汗はニオイに大きく影響します。
アンドロステノンのニオイを減らすためには、まずは次のふたつを見直しましょう。
- 油ものを控える
- 入浴や軽い運動で汗をかく
ひとつずつ見ていきましょう。
1:油ものを控える
口から摂取した油分は、お肌における皮脂分泌に直結します。
大好きだからと唐揚げやてんぷらなどの油っこいものばかり食べていると、お顔はテカテカ、頭皮はギトギト、さらにはアポクリン汗腺を刺激してニオイの発生を促します。
アンドロステノンのニオイはアポクリン汗腺が大きく関わっていますので、油ものはとりすぎないようにしましょう。
2:入浴や軽い運動で汗をかく
普段汗をかきにくいのであれば汗腺がおとろえて、乳酸に加えアンモニアなどのニオイ成分を含んだ質の悪い汗をかくことにつながります。
そうならないために、普段から汗をかく習慣をつけるようにしましょう。
早歩きのウォーキングやなわとびがおススメですが、運動はちょっと気合いがいりますよね。
ですので、気軽に実践できる入浴で、汗をかくトレーニングはいかがでしょう。
熱めのお湯よりも、37~38度くらいのぬるめのお湯にしてくださいね。
ぬるめのお湯だと長めに入ることができ、じんわり汗が出てきて汗腺が元気になるので、質の良い汗がかけるようになります。
くれぐれも一回でやめずに、継続してくださいね。
外側からの対策法
内側からの対策は時間と根気が必要です。
今すぐにできる外側からの対策でアンドロステノンをケアしましょう。
有効な対策はこちらの3つです。
- 汗はこまめに拭く
- 朝から制汗剤を使う
- 脇毛の処理をする
ひとつずつ見ていきましょう。
1:汗はこまめに拭く
汗自体は本来無臭です。
しかし、皮膚常在菌や雑菌によって分解されると、アンドロステノンのニオイやワキガ臭を発するようになります。
ですので、汗をかいたら
ハンカチやタオルでも良いですが、一番は市販のボディシートがいいですね。
ボディシート片手にトイレに駆け込み、脇をしっかり拭いてください。
無香料がおススメ
また、さわやかな香りでトイレから戻ると、周りから気付かれます。
決して悪いことではないですが、「体臭、気にしています感」が出て、ケアをしていることがバレバレですので、無香料にするのが得策です。
2:朝から制汗剤を使う
制汗剤で脇の菌の繁殖を抑えましょう。
最初の雑菌の絶対数を減らしておくことで、そのあとの繁殖数も抑えることができます。
寝ている間もコップ一杯の汗をかいているので、朝の時点ですでにニオイの元がたくさん脇にも皮膚にも付着しています。
それを落とすには朝からシャワーが一番理想的ですが、朝はとにかく時間が惜しいので、シャワーなんて浴びてる暇はないですよね。
それならば、まずはボディシートで体についた汗や雑菌を拭き取りましょう。
特に脇は念入りに。
準備ができたら、制汗剤の出番です。
制汗スプレー
外出先でシューシューするのは、音が気になって恥ずかしいですよね。
出かける前に家で脇に振りかけておきましょう。
商品にもよりますが、ニオイの原因菌を殺菌して、長時間ニオイの発生を抑えてくれます。
制汗スプレーもボディシート同様、同じ理由で無香タイプがおススメです。
ロールオンタイプ・スティックタイプ
脇に薬剤を直塗りできるロールオンタイプやスティックタイプもおススメです。
こちらは手の平にのるようなサイズなので、朝だけに限らず、日中もポケットに入れてトイレへ持って行けますね。
使うときもスプレーのように音が出ず、無音で塗れますので誰にも気付かれずにニオイ対策ができます。
私も愛用しているデオナチュレ。
なかなか減らないので、コスパも抜群です。
3:脇毛の処理をする
シャンプーをした後、髪の毛をしっかりタオルドライしても、完全に乾くまで時間がかかりますよね。
では、脇毛の場合はどうでしょう。
脇汗をかいた後、脇毛はびっしょり濡れます。
ボディシートで拭いたところで、乾燥はせず、じっとりと湿った状態がずっと続きます。
さらに、毛の一本一本に雑菌や汗の脂質やタンパク質も付着していますので、ニオイがより発生しやすい状態になります。
だから、ニオイの発生をかなり抑えることができるんです。
最近は男性も脇毛を処理する時代です。
特に若い世代の男性は二人に一人は脇毛処理をしているそうですおよ。
処理をするときは、ひげそり用のシェーバーなどを使って、安全に処理してくださいね。
まとめ
男性には心地よさを与えるものの、女性はストレスを感じるニオイ、アンドロステノン。
不快なニオイなのに、ムスクの原料になったり、モテフェロモンのニオイとも言われたり、なんともつかみどころのないニオイです。
しかし、多くの女性はこのニオイに不快感を示しています。
自覚症状がなくても、もしかしたらニオイを発しているかもしれません。
特に、ワキガ体質の男性は要注意ですよ。
女性に体臭で嫌われないよう、しっかり対策していきたいですね。
この記事が少しでもお役に立てたならうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。