大汗かきにとって夏ほど苦痛な季節はありません。
拭いても拭いても噴き出す汗
乾く暇もなくあふれ出てきて、衣類は常にぐっしょり
速乾性のあるシャツを着ても、乾くことがない
乾いたと思えば、塩をふいて恥ずかしい
エアコンの効いた室内に入れば、いっきに冷やされ濡れた服はキンキンに
そのため、大汗かきは出かけるときは着替えが必須なのです。
しかし、そこで問題が発生します。
しかも、この汗まみれの洋服、放っておくとどういうわけか納豆臭くなるんですよ。
この記事では、
- 汗をかいた服を放置すると納豆臭くなる理由
- 納豆臭くなった服の対処法
について深掘りしていきます。
大汗かきの夏は着替えが必須
大汗かきにとって、夏はまさに地獄です。
次から次に噴き出す汗との闘いで、着替えを持ち歩くことはもはや必須。
・出勤中にびしょ濡れになるので、会社に着いたら1回目の着替え
・仕事中、外出したり汗をかくことがあれば、2回目の着替え
最低でも1着は持ち歩かないと不安になりますね。
なぜなら、洋服が汗でびしょびしょのまま過ごすと
- 濡れた洋服が冷えて寒くなる
- 雑菌が繁殖して臭くなる
- 乾いてきた洋服が塩をふき始める
といった事態におちいるからです。
しかし、ここで問題が発生します。
脱いだ洋服はどうするの問題
家であれば、すぐに洗濯したり水洗いで汗汚れを落とすことができますが、外出先だとそれができないので保管する必要があります。
汗で濡れていて不衛生なので、そのままバッグに入れたり、その辺に置いておく、というのはできませんよね。
そこで使うのが、ビニール袋ではないでしょうか。
ビニール袋に入れれば、ニオイも水分も漏れないので安心です。
しかし、その密閉空間の中で、汗まみれになった洋服は一体どうなるのでしょう・・・
汗をかいた服を放置したら納豆臭くなる
家に帰って洋服の入ったビニール袋を開封すると、もわっと臭があふれてきます。
それはまるで
もしかして、30℃以上の気温の下、袋の中で納豆菌によって発酵されたのでしょうか。
いえいえ、いくらなんでも汗から納豆菌が発生したわけではありません。
ニオイの正体はモラクセラ菌という雑菌なんです。
納豆臭さの正体はモラクセラ菌
モラクセラ菌というのは、特殊な人間からだけ発生するような特別な菌ではありません。
人や動物の口や鼻などに元々存在する常在菌です。
モラクセラ菌自体にニオイはないのですが、湿った環境下で皮脂や水分などをエサに増殖します。
その際に出た排泄物があの納豆のようなニオイを生み出すのです。
モラクセラ菌の特徴
モラクセラ菌にはこのような特徴があります。
- モラクセラ菌自体はニオイがしない
- 水分と皮脂や汚れ、フケなどをエサに増殖し、排泄物からニオイを発生させる
- 湿った環境が大好き
- 温度20~40度、湿度60%以上の環境下では、5時間程度で爆発的に増殖する
- 生命力の強い菌なので、市販の洗剤くらいでは死滅しないしぶとさがある
- 紫外線に強いため、天気の良い日に天日干ししても死滅しない
- 熱に弱く、60度以上のお湯に浸せば、10~20分で死滅する
ビニール袋の中はモラクセラ菌のパラダイス
汗だくになって脱いだ洋服とビニール袋の組み合わせは、
- エサになる皮脂や汚れがたっぷり
- 汗(水分)でジメジメ多湿
- 30℃以上の高温空間
という3つの条件が重なり、モラクセラ菌にとってはパラダイスそのものです。
ビニール袋の中で大繁殖を繰り返したモラクセラ菌は納豆臭を発生させるのですが、そのあと普通に洗濯しても菌を死滅させることはできません。
なぜなら、モラクセラ菌は非常に強い菌だから。
モラクセラ菌はとてもしぶとい
モラクセラ菌は
- 普通の洗剤では死滅しない
- 天日干しもへっちゃら
という特徴を持っています。
普通に洗うと、いったんは洗剤の香りでごまかされて、きれいになったように感じるのですが、繊維の奥にはたくさんのモラクセラ菌が残っています。
そのため、汗をかくと同時に洋服から納豆臭を発生することになるのです。
モラクセラ菌を増やさないためには、
というのが理想です。
しかし、仕事をしていたりお出かけしていると、すぐに洗濯するなんて無理ですよね。
だからビニール袋で保管することになるんですが・・・
大繁殖したモラクセラ菌をどうしたらやっつけられるのか。
そのためには、弱点である熱を利用するのです。
モラクセラ菌を死滅させる超簡単な方法
モラクセラ菌は
という特徴があります。
これを利用すれば、超簡単に死滅させることができるんです。
【用意するもの】
- 60~80度くらいのお湯
- つけ置き用の洗面器やバケツ
- ラップなどのふたになるもの
※ 洗面器やバケツは耐熱温度の低いものがありますので、必ずご確認ください。
【やり方】
- お湯を張った洗面器などに洋服を浸す
- ぬるくならないように、ラップなどでふたをする
- 20分ほど放置
- 冷めたら普段通り洗濯する
※ やけどにご注意ください
生地によっては縮んだり、色落ちしたり、ダメージが残る場合があるので、熱湯は使わないようにしましょう。60~80℃で十分モラクセラ菌はやっつけられます。
化学繊維のシャツは速乾性もあるため夏に大活躍ですが、熱に弱いので熱湯へのつけ置きはやめてくださいね。
汗をたくさんかく夏は、少しでも快適に過ごしたいため、濡れてもすぐに乾くポリエステル製の速乾性ドライシャツを着たくなりますよね。 ドライシャツであれば、汗をかいてもすぐに乾くので、不快な思[…]
まとめ
汗をかいて放置した洋服から納豆臭がするのは、モラクセラ菌という菌のしわざでした。
モラクセラ菌は
汗や皮脂が大好き
高温多湿の環境で大増殖
しますので、汗まみれになって放置されたTシャツなどは彼らにとって、まさに天国なのです。
また、モラクセラ菌は
洗剤にも強い
天日干しもへっちゃら
なので、しぶとく繊維に残ります。
せっかく洗濯しても、汗をかいてくると再び洋服から納豆臭が復活するという悲劇にも見舞われます。
しかし、モラクセラ菌には熱に弱いという弱点があります。
これを利用して、臭くなった洋服を熱湯につけこみ、悪臭を放つモラクセラ菌を死滅させましょう。
夏はどうしても汗をかくものです。
しかし、大汗かきはその量がハンパないので、着替えが必須。
荷物も洗濯物も増え、体臭や衣類の納豆臭とも闘い、本当に大変な季節ですが、少しでも快適な夏になることを願っています。
一緒に乗り越えていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。