ヒートテックなどのあったか多機能インナーは保温・発熱性に優れているため、寒い冬には欠かせない定番アイテムとなっていますね。
しかし、ふと気づくとワキガじゃないのに、なんだか脇から変なニオイがするなんてことも。
雑菌にまみれたぞうきんのようなニオイ
えんぴつの芯のようなツンとしたニオイ
スパイシーな香辛料のようなニオイ
劣化したプラスチックのようなニオイ
あなたの脇からはどんなニオイがしていますか?
実はそのニオイ、ヒートテックをはじめとする化学繊維でできたインナーが原因かもしれませんよ。
この記事では
- ヒートテックが脇を臭くさせる理由
- 臭くなったヒートテックの洗い方
- ヒートテックでも臭くならない方法
- 臭くなりにくいインナー
などについて解説していきます。
ヒートテックで脇のニオイが強くなる理由
一般的なヒートテックの素材を見てみると、
アクリル30%
レーヨン20%
ポリウレタン12%
つまり
肌に触れるとチクチクするという方向けに、「ヒートテックコットン」などの製品も販売されていますが、こちらも53%の綿を除くとアクリル42%、ポリウレタン5%の化学繊維が含まれています。
これらの化学繊維がニオイをもたらす犯人なのですが、臭くなりやすいのには以下の3つの理由があります。
【化学繊維が臭くなりやすい理由】
- 通気性が悪く、吸湿性も低い
- 皮脂汚れがつきやすい
- 雑菌が繁殖しやすい
ひとつずつ見ていきましょう。
通気性が悪く、吸湿性も低い
化学繊維を代表するポリエステルには、次のような特徴があります。
- 繊維そのものに空間がないため、通気性が悪く熱がこもりやすい
- 汗をかいても吸湿性が低いため、汗の行き場がなく蒸発しにくい
つまり、肌にピタッと密着することで
熱がこもり暑くなる
↓
さらなる発汗を促す
↓
吸湿性が低いので蒸れる一方
という悪循環が生まれるのです。
脇汗で濡れた脇部分は乾くことなく、じっとりと湿った状態が続いたり、外などの寒い空間に行けば一気に冷えて、「脇だけが寒い」という不快な状況にもなってしまいます。
皮脂汚れがつきやすい
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は石油を原料に作られています。
そのため、同じ油分である皮脂汚れや、タンパク質となじみが良く、皮脂や垢などの汚れを吸着しやすい性質をしているのです。
これらの汚れは普通の洗剤では落ちにくいため、繊維にどんどん蓄積されていきます。
雑菌が繁殖しやすい
脇や衣類には皮膚常在菌や雑菌が住みついています。
その雑菌たちの大好きなものは
- 水分の多いジメジメした環境
- 皮脂汚れやタンパク質汚れなどのごはん
です。
ヒートテックを着ているときの脇は
- 汗でジメジメしている
- 皮脂汚れと垢がたっぷり付いている
という、まさに雑菌たちが大繁殖するパラダイスのような環境なんです。
ここで大繁殖した雑菌は、皮脂汚れなどのごはんを食べると、排泄物を出します。
この排泄物こそが、臭いニオイの原因なのです。
これら3つの理由が重なり合って、ヒートテックのような多機能インナーはニオイを発生させやすい仕組みになっています。
冬の汗がニオイを強くする
冬は寒いため、汗をかきにくく体臭がしにくい季節だと思っていませんか?
しかし、実は冬は体臭ケアをしっかりしないと、臭くなりやすい季節なんです。
その理由はこちらの3つ
- 冬も意外と汗をかいている
- 冬の汗は質が悪い
- 厚着するため蒸れやすい
ひとつずつ見ていきましょう。
冬も意外と汗をかいている
冬は外気温が低いため、厚着をして外出しますが、屋内に入るとどうでしょう。
電車の中、デパートやお店の中、仕事中のオフィス内
いずれも暑くないですか?
その暑い環境の中で、外と同じように厚着をしていると、じっとしていても汗をかいてしまいます。
そのため、肌着やヒートテックなどのインナーはじっとりと汗を含むことになります。
冬の汗は質が悪い
厚着をしていると汗をかくとは言え、冬は夏に比べ発汗量が少ないため、汗腺の機能が弱まっています。
そのため、いざ汗をかいたときに、乳酸やアンモニアなどの老廃物を含んだ質の悪いベタベタ汗をかくことになるのです。
質の悪い汗は雑菌の大好物なので、ニオイの元になります。
厚着するため蒸れやすい
厚着をしていると汗をかきますが、洋服が何層にも重なっているため、蒸発しにくく蒸れやすい状態です。
しかも、分泌されているのはベタベタ汗で雑菌の大好物なので、蒸れた環境で雑菌が大繁殖し、ニオイを発生させることになります。
このような理由から、冬の汗はニオイを助長することがわかります。
そこにヒートテックを着ていれば、ニオイはさらに強くなるはずですよね。
次の章では、臭くなったヒートテックのニオイの取り方をご紹介します。
臭くなったヒートテックの洗い方
ヒートテックにこびりついている汚れは、皮脂や垢などの酸性汚れです。
酸性汚れは、弱アルカリ性の洗浄剤で中和させると、効率よく落とすことができます。
【弱アルカリ性の洗浄剤】
酸素系漂白剤・・・・・pH10~11
セスキ炭酸ソーダ・・・pH9.8
重曹・・・・・・・・・pH8.0~9.0
3つとも弱アルカリ性ですが、pH値によってアルカリ度が異なります。
pH値は1~14までの14段階に分けられ、7が中性です。
7より数字が大きくなればなるほど、アルカリ度が強くなりますので、3つのうちだと、酸素系漂白剤が一番洗浄力が高いことになります。
いずれもホームセンターやドラッグストアで気軽に購入することができます。
洗剤コーナーやお掃除グッズコーナーを覗いてみてくださいね。
ワンポイント
皮脂汚れは落とせませんので、ご注意ください。
酸素系漂白剤でニオイを落とす方法
【用意するもの】
- 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)・・・大さじ1杯
- 40~50℃くらいのお湯
- 洗面器などの容器
【洗い方】
- 洗面器で酸素系漂白剤を40℃ほどのお湯に溶かす
- 臭くなったヒートテックを浸して、1時間~ひと晩放置する
- 洗浄液ごと洗濯機に入れて、他の洗濯物と一緒に洗う
洗濯が終わったら、素早く干して雑菌の繁殖を防ぎましょう。
ケイ酸塩入りの固形石けんで洗う
つけ置きが面倒臭い場合は、ケイ酸塩入りの石けんで予洗いしましょう。
油汚れに強い成分で、蓄積された皮脂汚れも落としてくれる優れものです
固形石けんなので、臭くなった脇部分のみをピンポイントで狙い撃ちできます。
しっかり石けんで揉み洗いした後は、洗濯機に入れて他の洗濯物と一緒に洗いましょう。
ワンポイント
使うときはゴム手袋の着用をおススメします。
こちらの商品は手袋なしでも手荒れしないと評判です。
ヒートテックを臭わせないための対策
暖かいのに薄い生地で着ぶくれしないため、冬のおしゃれにはかかせないアイテムですよね。
そこで、ヒートテックなどのあったかインナーを快適に着るための方法をご紹介します。
対策法はこちらの6つ
- 脇汗パッドの活用
- デオドラント剤をつける
- 汗をかいたら素早く拭く
- 脇毛の処理
- 食生活を見直す
- 汗腺を鍛える
ひとつずつ見ていきましょう。
脇汗パッドの活用
物理的に脇汗をヒートテックにつけないようにブロックしましょう。
一番手っ取り早い方法は、脇汗パッドを使うことです。
脇汗パッドには、汗を吸収してもニオイを発生させない防臭機能が備わっていますので、たくさん汗をかいても安心です。
デオドラント剤をつける
冬は汗をかきにくいという思いから、ニオイケアを怠りがちです。
しかし、意外と汗をかくため、蒸れて雑菌が繁殖し、ニオイは思いのほか発生します。
夏と同じように、殺菌成分配合の制汗スプレーを吹きかけたり、デオドラント剤を塗って、ニオイが発生しにくい環境にしてあげましょう。
汗をかいたら素早く拭く
汗をかいたまま放置すると、水分とエサがあるため雑菌の繁殖が加速します。
そうならないために、発汗したらなるべく早めに拭き取りましょう。
【大事なポイントは2つ】
- 脇自体を拭く
- 汗が染み込んだヒートテックも拭く
脇自体を拭くときは
除菌成分配合のウェットティッシュがおススメです。
汗と一緒に、ニオイの元ととなる雑菌も拭き取れるので一石二鳥です。
ウェットティッシュがない時は
ティッシュやハンカチに含ませて、トイレでササッと拭き取りましょう。
ヒートテックに染み込んだ汗も拭く
ヒートテックに染み込んだ汗は、ティッシュで挟んで吸い取りましょう。
湿った状態が雑菌の繁殖を加速させますので、素早く乾燥させればニオイの発生も防げます。
また、濡れたままにしておくと脇だけが冷えて、すっごく不快でストレスの元になります。
快適に過ごすためにも、脇が濡れたらトイレに行って拭き取ることをおすすめします。
脇毛の処理
脇毛があると蒸れる原因になったり、雑菌が絡みついてニオイが発生しやすくなります。
冬は脇毛の処理も怠りがちですが、ニオイ予防のためにはしておくことをおススメします。
食生活を見直す
肉や揚げ物、ジャンクフード類の過食は、皮脂の分泌を活発にし雑菌の繁殖も招きます。
野菜やくだものに含まれるビタミンB2やビタミンCは、皮脂の過剰分泌を抑える働きがあるので、積極的にとるようにしたいですね。
ブロッコリー、ほうれん草、納豆、アボカド、くるみなど
キウイ(緑より黄色)、カラーピーマン、ブロッコリーなど
汗腺を鍛える
汗をあまりかかないと汗腺の機能が衰えて、いざ汗をかいたときにベタベタの質の悪い汗をかくことになります。
この質の悪い汗は乳酸やアンモニアなどの老廃物を含んでおり、雑菌に分解されるとニオイが発生します。
汗腺を鍛えるためには、程よく汗をかくことがポイントです。
早歩きのウォーキングや縄跳びなど、軽い運動で汗をかくだけでも効果はありますが、運動が苦手な方もいますよね。
そんな方におススメなのは、ぬるま湯に浸かることです。
38℃くらいのぬるめのお湯に浸かって、じんわりと汗をかくだけでも汗腺は鍛えられます。
確かに、冬に38℃はぬるすぎて寒いですよね。
そんな時は「お風呂のふたをして顔だけ出す」入り方を試してください。
これだと、冷たい空気が入らないので意外と温まれますよ。
体や髪の毛を洗うときは温かいシャワーで流し、湯舟はぬるめにしておきましょう。
これらの対策を取って、臭くないヒートテック生活を手に入れてください。
臭くならない素材のあったかインナー
あったかインナーは着たいけど、「臭くなるのは絶対に嫌だ」という方は、素材で着るものを選んだほうがいいでしょう。
化学繊維でできたものは臭くなりやすいので、それ以外の素材に目を向けてみてください。
おススメは綿100%
綿などの天然素材は繊維が中空なので通気性が高く、熱のこもりを防げます。
また、汗をかいても吸水性があり、徐々に水分を蒸発させるため、雑菌が大繁殖しにくいのです。
ただし、綿であっても繊維の奥には洗濯で落ちきれなかった皮脂汚れや雑菌が蓄積されていますので、何度も汗だくで着用していると、徐々に雑菌臭を放つようになります。
臭くなったら、前述した酸素系漂白剤へのつけ込みで雑菌臭を撃退しましょう。
もっとおススメなのはメリノウール
メリノウールとは羊毛の一種で、メリノ種の羊からとれる羊毛です。
とても高品質で繊維が細かくなめらかな肌触りのため、インナーにも使われています。
このメリノウールの特長はこちらの3点
- 吸湿性が高い
- 保温性が高い
- 防臭作用がある
低価格帯の商品でおなじみのワークマンでも、様々な商品で使用されており、その防臭効果は口コミでも絶賛されています。
ワークマンの公式サイトに載っている口コミをいくつかご紹介します。
メリノウール3年目です。冬は、ヒートテックよりだらだらせず、保温感は抜群。体臭も気にすることなく、常に快適に過ごせます。登山メーカーのものは使っていませんが、コスパは抜群でとっても良いです。お勧めできます。
汗の匂いも消臭効果があり今までのあったかインナーとは比べ物にならないくらい快適になりました。
来年も買い足します!
これ一枚で汗冷えなし! 汗臭いにくく、メンズは腰までカバー出来るのがいい。
workman、この価格でのご提供 最高です!
※ 少しチクチクする、静電気が起こりやすい、というデメリットはあるようです。
ヒートテックに関するQ&A
ヒートテックに関する質問を以下のQ&Aにまとめました。
ヒートテックの買い替え時に、答えはありません。
何度も着用したり、洗濯することで生地が伸びてやせてしまいます。
そうすると、温かい空気を繊維の中にとどめて保温する効果が下がるため、機能性インナーとしての性能が半減します。
しかし、発熱するという機能は失っていないのです。
ヒートテックは体から蒸発する水分をレーヨンが吸着して発熱させます。
そのため、生地からレーヨンがなくならない限り、発熱効果は消えません。
- ヨレヨレでたらしない
- フィット感がなくてあたたかさを感じにくい
- いくら洗濯しても臭い
そう感じて、「もう着たくないな、そろそろ買い替え時かな」と思った時が寿命でしょう。
化学繊維でできているため通気性と吸湿性の悪さから、出てきた汗が皮膚表面に残ったままになり、雑菌が繁殖してワキガ臭が強くなるためです。
どうしてもヒートテックを着たいなら、脇汗パッドを活用して直接汗が生地につかないようにしましょう。
まとめ
化学繊維でできたヒートテックなどのあったかインナーは、
- 通気性と吸湿性が悪い
- 皮脂汚れがつきやすい
- 雑菌が繁殖しやすい
といった特徴を持っているため、どうしても臭くなりやすいです。
ニオイの発生を防ぐためには、
- 汗を生地につけない
- デオドラント剤で雑菌の繁殖を阻止しておく
ことが重要です。
脇汗パッドなどを活用して、ヒートテック自体を湿らせないようにしましょう。
ニオイが発生しにくい「綿100%」や「メリノウール製」のあったかインナーもありますので、ご自分に合った商品を探してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。