自分の体から「ツン」としたアンモニア臭を感じたことはありませんか?
● 緊張でずっと気持ちが休まらない
● 最近、肉ばかり食べている
そんなときに体からアンモニア臭が発生するんです。
アンモニア臭はいわゆる、おしっこのニオイ。
「どこから臭っているのかと思っていたら、実は自分が発生源だった」とわかったときの絶望感たるや。
尿漏れしているのかと疑われそうなので、周りには気づかれたくないものですが、このニオイは皮膚から放出されているため、実はすでにバレバレかもしれません。
この記事では、
- 疲労臭が発生するメカニズム
- 疲労臭を発生させる5つの要因
- 疲労臭を発生しにくくする対策
- 疲労臭を軽くする入浴法
などについて解説していきます。
最後まで読んで、アンモニア臭を撃退していきましょう。
疲労臭とは
疲労臭は
です。
また、タンパク質をとりすぎることも発生を促します。
ツンとしたアンモニア臭、いわゆるおしっこ臭いニオイです。
皮膚を通して放出されるので、全身です。
血液由来の体臭のため、皮膚表面を洗ってもニオイを落とすことはできません。
汗や雑菌などが原因であれば、洗い流すことでニオイの元を取りのぞけますが、皮膚からあふれてくるニオイは、洗った後も放出され続けるのです。
疲労臭の発生メカニズム
肉や魚などを食べてタンパク質が体内に入ると、消化分解されるときにアンモニアが作られます。
アンモニアは有毒なため、肝臓で分解され、無毒化されたのち尿と一緒に排出されます。
しかし、一部は血液中に流れていき、全身を巡りながら皮膚ガスとして放出されるため、多かれ少なかれ誰しもがアンモニア臭を放出させています。
ところが、
のです。
これが疲労臭が発生する原因です。
それでは次の章で、何が疲労臭を引き起こすのか詳しく見ていきましょう。
疲労臭を引き起こす5大要因
疲労臭を強くさせるものには、次の5つがあります。
- 精神的ストレス
- 筋肉疲労
- 肝機能の低下
- タンパク質のとりすぎ
- 腸内環境の悪化
精神的ストレスや筋肉疲労の蓄積
・精神的なストレス
仕事や家事・育児、人間関係などによる精神的なストレスの蓄積
・筋肉疲労
体を使いすぎたことによる筋肉疲労
これらは肝機能の低下を引き起こします。
肝機能が低下すると、アンモニアの分解が上手にできなくなるので、疲労臭が強くなるのです。
過剰な飲酒で肝機能低下
過剰な飲酒も要注意です。
アルコールは肝臓で分解されるため、お酒を飲みすぎると肝臓に負担がかかります。
アルコールの分解で疲れた肝臓は、アンモニアの分解にまで手が回らなくなり疲労臭が強くなるのです。
タンパク質のとりすぎ
肉ばかり食べているような偏った食生活だと、血液中のアンモニア濃度が上昇し疲労臭が発生します。
なぜなら、タンパク質は消化するときにアンモニアを多く発生させるからです。
肉を食べすぎると肝臓の処理能力を超えるほどのアンモニアが発生して、いわゆる「キャパオーバー状態」に。
分解されなかったアンモニアはそのまま血液中に流れ込み、皮膚ガスとして放出されるため、疲労臭が強くなるのです。
腸内環境の悪化
便秘をしているときは、腸内に溜まっている宿便がアンモニアを発生させると考えられています。
また、肉などを食べすぎると消化に負担がかかり、分解されなかったタンパク質が、腸内で腐敗し悪玉菌を増加させます。
これにより、腸内環境は悪化する一方で、皮膚ガス臭も強くなりやすいのです。
このようなことが原因で、血液中のアンモニア濃度は高まり、疲労臭が強くなってしまうんですね。
次は、自分が疲労臭を放出しているのかチェックする方法を見ていきましょう。
セルフチェック方法
過度のストレスや疲労でアンモニアの処理が上手にできなくなると、その日のうちに疲労臭は発生します。
しかし、ずっと嗅いでいるニオイには鼻が慣れてしまい鈍感になるため、自分では気づきにくいもの。
そこで自分でも確認できる、簡単セルフチェック方法をご紹介します。
【用意するもの】
- 一日着た洋服(肌着など皮膚に近いもの)
- 洋服を入れるポリ袋
【やり方】
② 嗅覚をリセットさせるために、外の空気を吸ったり、コーヒー豆などの香りを嗅ぐ
③ ポリ袋内の洋服のニオイを嗅ぐ
どうですか?
ツンとしたニオイはしましたか?
臭ったとしたら、周りの人にも気づかれている可能性大です。
次の章を読んで、ニオイを発生させない対策をとりましょう。
疲労臭を発生させないための対策4選
疲労臭はストレスや疲労の蓄積、腸内環境の悪化などで発生するので、それらを解消することがニオイを発生させないためのポイントとなります。
対策法はこちらの4つ
- ストレスをケアする
- 食生活の見直し
- 乳酸菌で対策する
- オルニチンで対策する
ひとつずつ見ていきましょう。
1:ストレスをケアする
ストレスを減らすことが疲労臭軽減には効果的です。
簡単にストレスをケアする方法は
- 適度な運動やストレッチ
- 湯舟につかる
- よく眠る
です。ひとつずつ見ていきましょう。
適度な運動やストレッチでリラックス
・ジョギング
・早歩きのウォーキング
・ストレッチ
などの軽めの運動をすると、リラックス効果を得られるんです。
そのわけは、脳内でセロトニンという神経伝達物質が分泌されるから。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれていて、心身をリラックスさせる効果があるんですよ。
10~20分早歩きをするだけでも効果あり
運動をする時間がないという人は通勤や通学の時間を利用して、取り入れるのもいいですね。
ストレッチは寝る前がおススメ
寝る前にストレッチを取り入れれば、リラックス効果で眠りにもつきやすくなるんですよ。
湯舟につかってリラックス
38℃くらいのぬるめのお湯に20分ほどつかってください。
副交感神経の働きが優位に立って、リラックス効果が高まります。
熱いお湯は逆効果
熱いお湯につかると、逆に疲労感が増しますのでご注意ください。
よく眠る
日中嫌なことがあって悶々としながら眠っても、翌朝にはスッキリ「どうでもよくなった」と感じたことはありませんか?
これは眠っている間に、脳が記憶や情報を整理しているからなんです。
ようですよ。
入眠に時間がかかる、夜中何度も目が覚める、という方は枕を変えるとさらに良い効果が得られるかもしれませんよ。
2:食生活の見直し
普段の食べたり飲んだりも、内臓に負担をかけることがあります。
- タンパク質をとりすぎない
- アルコールを控える
これらのことに気を付けて、食生活の見直しも検討してみましょう。
タンパク質をとりすぎない
肉や魚の動物性たんぱく質をとりすぎると、アンモニアの量が多くなりすぎて分解が追いつかず、処理されないまま皮膚ガスとして放出されます。
栄養豊富でかさ増しもできる野菜やキノコ類を上手に取り入れて、バランスの良い食事を心がけましょう。
プロテインにも要注意
筋肉強化のためのプロテインにもタンパク質が多く含まれています。
摂取しすぎると肉同様に、処理能力を超えるほどの大量のアンモニアを発生させます。
また、筋トレ時の筋肉疲労で肝機能は低下しています。
弱った肝機能+プロテイン(タンパク質)
で余計に疲労臭が強くなるので、マッチョを目指している人は要注意ですね。
飲酒はほどほどに
お酒を飲むと、アルコールの分解時に肝臓を使います。
適量であれば大丈夫ですが、飲みすぎるとアルコールの分解に肝臓を酷使することになるため、アンモニアの分解にまで手が回らなくなります。
その結果、分解されなかったアンモニアが、皮膚ガスとして放出され疲労臭になるのです。
純アルコール量の適量は
・女性や高齢者:10~14g
です。
【純アルコール量の目安】
ビール500ml(アルコール5%):純アルコール量20gに相当
※ 純アルコール量の確認は、お酒の缶のカロリー表記の下あたりに明記されていますので、お酒を飲む際は確認されてください。
さらに、飲酒には口臭や体臭の悪化も助長する要素が盛りだくさんですので、適量を心がけましょう。
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3:乳酸菌で対策する
便秘は疲労臭が強くなる原因ですので、善玉菌を増やして腸内環境を整えましょう。
また、乳酸菌のエサは食物繊維やオリゴ糖ですので、食材をうまく組み合わせて食べるのがおススメです。
ヨーグルト+バナナ
乳酸菌がたっぷりのヨーグルトと食べることで、効率的に善玉菌を増やすことができます。
納豆+キムチ
さらに、キムチの乳酸菌が納豆菌をエサに増殖するため、より腸内環境が整いやすくなります。
腸内の善玉菌を増やして、便秘になりにくい体を目指しましょう。
4:オルニチンで対策する
肝臓でアンモニアを無毒化してくれているのは、オルニチンというアミノ酸です。
ので、疲労臭の軽減に期待できます。
オルニチンをたくさん含んでいることで有名なのは、しじみですね。
サプリメントもあり、肝臓の働きをサポートしてくれることがよく知られています。
また、キノコにもたくさんのオルニチンが含まれているんですって。
キノコメーカーのホクトさんによると、ぶなしめじなどのキノコ類には、しじみの5~7倍ものオルニチンが含まれているそうですよ。(100gあたりでの比較)
サプリメント以外でしじみを日常的に食べるのはなかなかハードルが高いですが、キノコならレシピもたくさんあるので取り入れやすいですね。
以上、対策法をご紹介しましたが、これらの方法に即効性は期待できません。
根気強く継続させていきましょう。
疲労臭をとる酢風呂のススメ
お風呂につかって汗をかくと、アンモニアや乳酸を含んだ質の悪い汗を排出することができます。
入浴にはリラックス効果もあるため、それだけでも疲労臭軽減には効果的なのですが、とても簡単なひと手間で劇的に効果が上がる方法があります。
それは、
たったこれだけで、疲労臭を効率的に解消してくれるんです。
その理由は次の3つ
- 発汗を促す
- クエン酸で中和する
- 殺菌作用がある
汗腺からお酢の成分が吸収されると、血行が良くなり汗腺機能が正常化され、発汗が促されます。
また、酢に含まれるクエン酸が汗腺に吸収されると、アンモニアと乳酸の生成を抑えるため、ニオイを解消できるのです。
アンモニアはアルカリ性なので、酸性であるクエン酸で中和できることもニオイを消してくれる要因です。
さらに、クエン酸には殺菌作用がある上、皮膚表面を弱酸性に保つ働きがあるため、雑菌の繁殖を防いでくれます。
酢風呂の入り方
【用意するもの】
- 普通のお酢(ミツカン酢など)・・・100mlほど
- (黒酢の場合・・・おちょこ1~2杯)
- お風呂のお湯・・・38℃ほどのお湯を180リットルほど
【入浴方法】
- 湯舟にお酢を加える
- ゆっくりと浸かる
- 20分ほど経ったら、シャワーで体を流す
ワンポイント
これを1週間ほど続ければ、体から放出されていたアンモニア臭も改善されるはずです。
即効性はありませんが、根気強く続けてみてください。
一番の解決策はやはり内側からのケアです。
前述した対策法で、根本的な解決を目指しましょう。
疲労臭が気になってもやってはいけないこと
疲労臭を消すのに即効性のある方法はありません。
疲労臭自体が皮膚表面で発生しているものではなく、体の内側から発生しているものだからです。
そのため、時間はかかりますが、肝機能や腸内環境など内側から整えてあげなければならないのです。
「すぐに消せないニオイなら、いい香りでごまかせばいいじゃないか」
そう考えた方はとっても危険です。
香水などで疲労臭を上書きしようとしても、ツンとしたアンモニア臭にきつい香水のニオイが混ざり合うだけで、余計に悪臭になってしまいます。
疲労臭+香水の相乗効果でニオイもさらに強くなるのです。
疲労臭をごまかすために、香水を使おうと思った人は絶対にやらないでくださいね。
まとめ
そのままにしておくと、免疫力が低下してウイルスなどの病原菌にも負けやすい体になってしまいます。
無理をしないで、たまにはリフレッシュ休暇をとるなど、体を休める対策をとってください。
赤ちゃんや小さい子がいる場合は、一緒にお昼寝をして短い時間でも休息をとるようにしましょう。
がんばっている自分をほめながら、疲労臭を発生させない体を目指しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。