お風呂上りに体や髪の毛を拭きながら、
と思ったことはありませんか?
きれいになったはずなのに、どうして自分からぞうきん臭いニオイがするんでしょう。
そのニオイの原因は、何を隠そうタオルです。
タオルにはニオイを発生させる雑菌がたくさんついています。
生乾き臭のするタオルを使うことは、雑菌まみれのぞうきんを使っているのと同じこと。
そのぞうきんで顔や髪の毛を拭いていると考えたら、ぞっとしませんか?
この記事では、
- 生乾き臭のタオルが起こす悪影響
- タオルから生乾き臭がする原因
- タオルのニオイを取る方法
- タオルを臭くさせないための洗濯方法
などについて解説していきます。
生乾き臭がするタオルを使うと起こる悪影響
生乾き臭がするタオルを使うことは、ただ「臭いなぁ」と不快に感じるだけではなく、このような弊害があるんです。
- 体や髪の毛に生乾き臭がうつる
- 肌荒れを起こす
- アレルギー症状を起こす
ひとつずつ見ていきましょう。
体や髪の毛に生乾き臭がうつる
臭いタオルを使うと、そのニオイがそのまま体や髪の毛にもついてしまいます。
さらに、タオルに住みついている雑菌が体や髪の毛にも移動し、新たな生乾き臭を発生させることにつながります。
また、乾いていったんニオイがしなくなっても、汗をかいたり雨に濡れて水分を得れば、雑菌の活動が活発化してニオイが復活します。
そうなると、汗臭さと雑菌臭さ、頭皮であれば皮脂臭さも混ざり合って、不快極まりないニオイになってしまうのです。
肌荒れを起こす
タオルで繁殖した雑菌が、体や髪の毛に移動することで肌トラブルの原因となります。
ニキビや吹き出物が増えたと感じた場合は、タオルの見直しを検討してみてください。
ニキビがたくさんできている人と同じタオルを共有してもニキビはうつりません。
なぜなら、ニキビの原因のひとつであるアクネ菌は誰の顔にでもある常在菌だからです。
ニキビになるのは皮脂が毛穴に詰まって炎症を起こしているためであり、タオル共有によってニキビがうつったわけではないのです。
アレルギー症状を起こす
生乾き臭のするタオルには、アレルギーの原因となるカビやダニが繁殖している可能性もあります。
体を拭いたタオルにはたくさんの垢や体毛がついていて、それらがダニのエサとなります。
体を拭いたタオルは湿り気と温かさも加わり、ダニやカビの生育に適した好環境になるため、大繁殖を避けられないのです。
このような弊害が起こるため、生乾き臭がするタオルは使わないほうが良いのです。
では、何が生乾き臭を生み出しているのでしょうか?
次の章でニオイの犯人を見ていきましょう。
生乾き臭の原因はモラクセラ菌
ぞうきんのような生乾き臭を発生させている主な犯人は「モラクセラ菌」という雑菌です。
モラクセラ菌は特殊な菌ではなく、人や動物の口や鼻などに元々存在する常在菌。
つまり、誰もが持っている菌なんです。
このモラクセラ菌は
- エサになる皮脂や垢
- 水分でジメジメしている
- 30℃以上の温かい空間
が大好きで、体を拭いた後のタオルにはまさにこの3大条件が揃っています。
モラクセラ菌が皮脂や垢を食べて出す排泄物が、あの生乾き臭になります。
そのため、モラクセラ菌をやっつけることが、生乾き臭撃退には必要不可欠なんですが、実はなかなかしぶとい性質をしているんですよ。
モラクセラ菌の特徴
モラクセラ菌の主な特徴はこちら
- モラクセラ菌自体にニオイはない
- 水分と皮脂や垢、フケなどをエサに増殖し、排泄物からニオイを発生させる
- 温度20~40℃、湿度60%以上の環境だと、5時間程度で爆発的に増殖する
- 市販の洗剤では死滅しないほどの生命力の強さがある
- 紫外線に強く、天日干しでも死滅しない
- 熱に弱く、60℃以上のお湯に浸せば10~20分で死滅する
モラクセラ菌は普通の洗剤では死滅しない上に、天日干しも効果がありません。
乾いていったんニオイが落ち着いても、繊維には残っているので濡れると再びニオイが発生します。
タオルで体を拭く際、ゴシゴシとこすっていませんか?
お風呂でふやけた皮膚は柔らかいため、タオルで拭くだけで洗い残された皮脂や垢はこすりとられます。
さらに温かい水分を吸収し、「エサ、水分、温かさ」の3拍子が揃いタオルはまさにモラクセラ菌のパラダイスそのものに。
一回使用のタオルでもそうなるんですから、何日も使い回されたバスタオルは想像を絶するほどのモラクセラ菌が付着しているんですよ。
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タオルのニオイを取る簡単な方法
モラクセラ菌の特徴から、タオルの雑菌臭をとる一番の有効な方法は
60℃以上の熱湯に10~20分浸けておけば、モラクセラ菌は死滅します。
酸素系漂白剤を使ったり特殊な洗剤を使うより、一番簡単で一番効果的な方法です。
欠点は、どこでつけ置きするかでしょう。
バケツや洗面器では耐熱温度の低さから使えないことが多くあります。
かと言って、料理を作る鍋でタオルを煮る、というのは気持ちの問題ですが私にはできません。
そこでおススメなのが、アイラップというビニール袋を使うことです。
アイラップは耐熱温度120℃のビニール袋です。
ビニール袋型ラップなので、そのまま電子レンジでも使えるほど。
これを使って、タオルの熱処理をしていきましょう。
【用意するもの】
- 臭いタオル
- アイラップ
- 60℃以上の熱湯
【やり方】
- アイラップにタオルを入れる
- 熱湯を注ぐ
- 口を縛って放置
- 冷めたら、洗濯機で洗濯する
① ボウルなどに入れておくと、安定します。
② 熱湯を注ぐ際は、やけどにご注意ください。
60℃で十分死滅しますので、ぶくぶく沸騰している100℃のお湯を使う必要はありませんよ。
③ 10~20分で死滅しますが、冷めるまで放置しましょう。
④ 冷めたら洗濯機で普通に洗濯してくださいね。
これだけで、ぞうきん臭い生乾き臭を発生させていたモラクセラ菌は死滅しました。
この処理をしておけば、新たな皮脂や汚れが蓄積されるまでは気持ちよく使えるはずです
ワンポイント①
カビも60℃以上のお湯に浸ければ、10分ほどで死滅するんですよ。
ワンポイント②
やはり、まんべんなく熱が加わるお湯が一番かと思います。
タオルを臭くさせないための洗濯方法
タオルの生乾き臭を防ぐためには、
ように洗濯することが重要です。
そのためには、
- すぐに洗えない場合はハンガーなどに干しておく
- 水は一段階多めに
- すすぎは2回以上(残り湯は使わない)
- 洗濯が終わったらすぐに干す
- 乾燥は素早く
- 洗濯槽も定期的に掃除する
ということを押さえていくのがポイントです。
すぐに洗えない場合はハンガーなどに干しておく
朝から洗濯をする場合、夜お風呂上りに使ったタオルはそのままになりますね。
その際、洗濯機に放り込んだり、湿ったまま放置するとモラクセラ菌やカビの繁殖を促すことになります。
すぐに洗えない場合は、
少しでも乾くようにハンガーに干しておく
洗濯機に広げてかけておく
など、なるべく湿ったままにならないようにしましょう。
水は一段階多めに、すすぎは2回以上で
水を一段階多くするだけで汚れ落ちが格段に良くなります。
ドラム式洗濯機だと洗い時の水量を増やすことは難しいですが、すすぎの際に注水にすると汚れ落ちが良くなるので、試してみてください。
また、すすぎは2回以上行ってください。
すすぎ1回でもOKという洗剤もありますが、皮脂や汚れ、雑菌が繊維の奥に残ったままになります。
しっかり汚れなどを落とすにはすすぎは2回以上がおススメです。
最後のすすぎに、お風呂の残り湯は使わないでください。
お風呂の残り湯には垢や雑菌がたくさん含まれています。
残り湯を使う際は洗いと1回目のすすぎだけにして、仕上げのすすぎは必ず水道水で行いましょう。
洗濯が終わったらすぐに干す
洗濯が終わっているのに、洗濯槽にそのまま放置していると雑菌やカビが繁殖します。
しかし、洗濯槽の裏側にはおびただしい量の雑菌や黒カビが潜んでいるんです。
そのため、素早く干さないときれいに洗った洗濯物に付着した雑菌やカビが繁殖して、再び臭くなってしまうんですよ。
乾燥は素早く
生乾きの状態が長ければ長いほど、雑菌やカビは繁殖し続けます。
そのため、いかに短時間で乾かすかがポイントです。
部屋干しはどうしても乾きにくいので、サーキュレーターや除湿器を活用して、短時間で乾くように工夫しましょう。
洗濯槽も定期的に掃除する
洗濯槽の裏側には黒カビがびっしりついています。
そのため、定期的に洗濯槽クリーナーで清掃する必要があるんです。
それをしないと、洗濯するたびに雑菌や黒カビを洗濯物につけ続けることになります。
また、モラクセラ菌やカビを60℃以上のお湯で死滅させても、結局新しい雑菌たちをつけることになり、いたちごっこなんです。
タオルだけでなく他の衣類も臭くなりますので、洗濯槽は定期的に掃除してくださいね。
タオルから生乾き臭を発生しにくくするポイントは
- 湿った状態で放置しないこと
- 皮脂や汚れをしっかり落とすこと
- 洗濯槽も定期的にお手入れをすること
です。
これらに気を付けて、タオルを生乾き臭から守りましょう。
短すぎ!タオルの寿命はたった一年?
洗濯回数が30~40回を迎える頃、タオルの風合いやごわつき、ニオイなどが気になるようになります。
2日に1回ヘビーローテーションで使った場合 | 約2~3か月 |
5日に1回の頻度で使った場合 | 約5~7ヵ月 |
10日に1回の頻度で使った場合 | 約10~13ヵ月 |
で使い心地に変化があり、それが嫌なら買い替え時ということになります。
ただし、使い心地は食品のように体に害があるわけではないので、気にならなければいつまででも使っていいのです。
ニオイに関しては、熱処理をすればモラクセラ菌もカビも殺菌できますので解決します。
風合いやごわつきが気にならなければ、使い続けても問題ありません。
柔軟剤でしっとりしていると水分の吸水性がイマイチだけど、ゴワゴワしているタオルは水気をシュッと吸ってくれので使っていて気持ちがいいんです。
私のように、ごわごわのタオルが好きという人もいるのでは?
その場合は、タオルに寿命はないに等しいのです。
バスタオルよりフェイスタオルがおススメ
バスタオルを使ったあと、毎回洗っていますか?
きれいになった体を拭いてるんだから汚れていないでしょ
大きくて洗濯機の容量を圧迫するんだもん
という理由で、毎回洗っていない人も多いかもしれませんね。
しかし、そうやって洗われないまま何回も使用されたバスタオルは雑菌の温床となっているのです。
何度も使い回されたバスタオルには、お風呂で洗い残された皮脂や垢が蓄積され、拭くたびに水分、温かさをまとい、雑菌が繁殖する悪条件が揃います。
気づけばぞうきん臭くなっていて、そのバスタオルで拭いた体も髪の毛も臭くなってしまいます。
とは言え、大きなバスタオルを毎回洗うのは結構大変ですよね。
その問題を解決させるためには、
です。
フェイスタオルであれば、
- 小さいから洗濯機の容量を圧迫しない
- 洗濯後もバスタオルより乾くのが早い
- 臭くなったときも小さいので熱湯消毒がやりやすい
というメリットがあります。
そんなことはありません。
成人女性で髪の毛が短ければ、十分一枚で拭けます。
体の大きな男性や、髪の毛が長い方の場合は2枚あったほうが安心でしょうが、それでもバスタオルを使うより洗濯時は省スペースで済みますよ。
まとめ
生乾き臭のするタオルを使うと、
- 体も髪の毛も生乾き臭がうつる
- 肌荒れの原因になる
- アレルギー症状を起こしかねない
という弊害があることがわかりました。
生乾き臭の原因となるモラクセラ菌やタオルに繁殖するカビは、
だけで死滅させることができます。
特別な洗剤は必要なく、時間も短時間で済むとてもお手軽な方法です。
これだけでタオルの生乾き臭は取れますので、ニオイに困ったら是非やってみてください。
また、日頃の心がけ次第で、ニオイ自体を発生しにくくもできます。
ポイントは
- 湿った状態で放置しないこと
- 皮脂や汚れをしっかり落とすこと
- 洗濯槽も定期的にお手入れをすること
です。
お風呂上りに臭くないタオルで気持ちよく拭けますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。