緊張したり、精神的なストレスを感じた時に、体の内側からわき上がる変な臭いを感じたことはありませんか?
食べていないのに、ネギやニンニクのような臭いがする
ワキガ体質じゃないのに、玉ねぎのような臭いがする
これらの臭いは、ストレスが原因で発生しているのかもしれません。
ストレス臭の厄介なところは、「臭いかもしれない」と考えることで、さらなるストレスを生み出し、より臭いが強くなることです。
ストレスと切っても切れない関係にある現代人ですが、どうにかできないものでしょうか。
この記事では、
- ストレス臭の発生原因
- 私の実体験
- ストレス臭のチェック方法
- ストレス臭の消し方
- 臭わせないための対策法
などについて深掘りしていきます。
ストレス臭とは
緊張や精神的なストレスを感じたときに発生する、血液由来の体臭です。
主に、ネギやニンニクのような硫黄化合物系の臭いです。
酸っぱさや、あぶら臭さを伴うこともあります。
血液由来なので、全身の皮膚から放出されます。
ワンポイント
特有の硫黄化合物系の臭いの主要成分が「ジメチルトリスルフィド」と「アリルメルカプタン」であることを見つけ、この2成分を「STチオジメタン」と名付けられました。
周りの人にも悪影響を与える特徴がある
ストレス臭の最大の特徴は、周囲の人にも悪影響を及ぼすところ。
ストレス臭は決していい香りではないため、周囲の人に不快な印象を与えます。
ただそれだけではなく、このニオイを嗅いでいると、疲労や混乱を感じるマイナスな心理状態になるというのです。
ニオイを発生させている本人は、そのニオイを嗅いでさらにストレスを感じます。
不思議なことに周りの人も、ニオイを嗅ぐことで同じようにストレス状態に陥るようです。
疲労臭とは違うの?
ストレス臭と似ているものに、疲労臭というものがあります。
ツンとしたアンモニア臭がするもので、こちらも血液由来の体臭なので洗ってもとれない厄介者です。
主な原因は、ストレスや肉体的疲労の蓄積によって肝機能が低下すること。
それにより、分解されるべきアンモニアが分解されないまま、皮膚から体臭として放出されるのです。
ストレス臭と疲労臭は似ていますが、ニオイの種類が違います。
ストレス臭 | ネギやニンニクのような硫黄化合物系の臭い |
疲労臭 | ツンとしたアンモニア臭 |
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
自分の体から「ツン」としたアンモニア臭を感じたことはありませんか? ● 体を動かしすぎて疲れている ● 緊張でずっと気持ちが休まらない ● 最近、肉ばかり食べている そんなときに体からアンモニア臭が発生するんです。 […]
ストレス臭の発生原因
ストレス臭の主な発生原因はこちらの4つ
- 精神性発汗の増加
- 活性酸素の増加
- 肝機能の低下
- 腸内環境の悪化
ひとつずつ見ていきましょう。
精神性発汗の増加
緊張しているときは、額に汗をかいたり脇汗や手汗、さらには足汗が止まらなくなりませんか?
これを精神性発汗といい、緊張で交感神経が刺激されることで、汗が出やすくなります。
緊張すればするほど汗が噴き出してきて、「止まれ!止まれ!」と念じるほどさらに発汗する、というまさに悪循環。
さらには、その汗により雑菌が繁殖し、酸っぱい汗臭さやぞうきん臭いニオイまでし始めます。
活性酸素の増加
過度のストレスは体内の活性酸素を増やします。
活性酸素は皮脂の酸化を招きますので、あぶら臭い体臭の元になるのです。
また、活性酸素は加齢臭の元になるノネナールの発生にも関与しているため、ストレス臭プラス加齢臭のダブルパンチになりかねないのであなどれません。
肝機能の低下
ストレスや疲労が蓄積すると、肝機能が低下します。
その結果、肝臓で分解されるはずのアンモニアが処理されないまま血液に溶け込み、汗に混じったり皮膚から放出されることになります。
アンモニア臭はツンとした刺激臭で、ネギやニンニクなどの硫黄化合物のニオイに例えられます。
腸内環境の悪化
緊張すると、急におなかが痛くなることってありませんか?
また、ストレスのたまりすぎや環境の変化で便秘になることも。
緊張やストレスを感じると交感神経が優位に立ち、自律神経のバランスが崩れます。
そうすると、腸のぜん動運動にも影響を与えるため、急におなかが痛くなったり便秘になったりするのです。
腸内に便がたまった状態が続くと、便のニオイが腸壁から血液中に吸収され、体内を循環したのち皮膚から体臭として放出されます。
このような原因により、ストレス臭は発生しているのです。
【実体験】ストレス臭との闘い
ストレス臭という存在を知らなかった20代の頃、自分から湧き出る変な臭いに悩まされていました。
仕事中にいつも臭い出すのですが、仕事のストレスというよりも、ニオイに対するストレスが原因でした。
当時の私は、手汗が止まらない手掌多汗症持ちで、手汗によるストレスで脇汗も一緒に出ることが多々ありました。
脇汗が止まらないことで起こるのが、脇の雑菌臭です。
ぞうきんのようなニオイをかもし出しながら、
「手汗止まれ!脇汗止まれ!」
と念じ、ニオイが周りの人に気づかれませんようにと願っていました。
そのストレスから、ぞうきん臭さとは違う玉ねぎのようなニオイまで、かもし出すようになってきたのです。
より臭くなったことで、もっとストレスが増します。
そしてさらに、玉ねぎ臭も強くなります。
まさに悪循環。
ごまかそうと使った柔軟剤とも相性が悪く、先輩同僚から「最近なんか臭うね」と言われる始末・・・。
「人にクサイと思われたくない」ことがストレスの原因だったので、自分しかいない家に帰れば臭いも治まっていました。
そこで気づいたのが、気にしなければ臭わないということでした。
解決策はニオイについて考えないこと。
意識をニオイ以外に集中させれば、不思議ともわもわとわき上がるニオイはしなくなりました。
私は自分のストレス臭に気づくことができましたが、自分の発するニオイには鈍感になりやすいものです。
次の章ではストレス臭のチェック方法を見ていきましょう。
ストレス臭のチェック方法
嗅覚には順応性があり、ずっと嗅いでいるニオイに鼻は鈍感になります。
そのため、ストレス臭を発していても、なかなか自分のニオイを認識するのは難しいのです。
そこで、自分のニオイチェックをする前に、まずは嗅覚をリセットさせましょう。
嗅覚のリセット方法
【用意するもの】
- コーヒー豆や粉
- 緑茶の茶葉
- 好きな洗剤の香り
などの好きな香りを用意してください。
決して、ストレス臭と臭いの系統が同じものは嗅がないようにしましょう。
例えば、玉ねぎやニンニク、あぶら系の臭いなどはNGです。
【やり方】
- 上記で用意した好きなものの香りを胸いっぱい吸って、いったんリラックスします
これだけで嗅覚はリセットされましたよ。
ストレス臭のチェック方法
【用意するもの】
- ビニール袋
- 一日着用した洋服、できれば肌着
【やり方】
- ビニール袋に洋服と空気を入れ、振ります
- ビニール袋の中の臭いをかぎます
どうでしょう?
変な臭いはしましたか?
それが、あなたが一日発していた体臭です。
ほのかに洗剤や柔軟剤の香りがしたり、酸っぱい汗臭さを感じるくらいでしたら、たいした体臭はなかったでしょう。
ワキガ体質でもないのに、玉ねぎのような臭いがした
ネギやニンニクのような硫黄化合物の臭いがした
そう感じたなら、ストレス臭を発生させていた可能性大です。
ストレス臭の消し方
変な臭いの体臭を今すぐ消したい!
しかし、残念なことにストレス臭を瞬時に根本から消すことはできないのです。
それは、ストレス臭が血液由来の体臭だから。
血管を通して皮膚表面からわき上がってきているため、いくらデオドラントシートで拭いても臭いは取れません。
臭いを消すのではなく、違うニオイで包み込んで、ストレス臭自体を目立たなくすればいいのです。
資生堂さんがストレス臭をうまくごまかす香りを作ることに成功し、それを用いて商品を開発されました。
それがこちらの「Ag DEO24」(エージーデオ24)
スプレー、デオドラントシート、直塗りできるロールオンタイプがあり、どこのドラッグストアでも見かけますよね。
ストレス臭は「臭っているかもしれない」と不安に思うストレスで、さらに臭いが強くなります。
そのため、ごまかせるだけでも気持ちは楽になりストレスは軽減します。
どれかひとつでもお守り代わりに持っていれば安心ですね。
ただし、これらを使っても根本的な解決にはなりませんので、ストレス臭は消えません。
一番の解決策は、ストレス自体を軽くしてあげることです。
次の章で詳しく見ていきましょう。
ストレス臭の対策
ストレス臭の解決には、ストレスをなくすことが一番の近道になります。
また、食べ物で腸内環境を整えたり、肝機能を高めることも改善策になります。
それぞれ見ていきましょう。
精神面をリラックスさせる
ストレスをなくすためには、リラックスすることが効果的です。
カンタンに精神面をリラックスさせる方法はこちらの7つ。
- 何も考えない、無になる
- 適度な運動
- 大きな声を出す(カラオケ)
- いっぱい笑う
- 思いっきり泣く
- マッサージやストレッチ
- 質の良い睡眠をとる
何も考えない、無になる
私はこれで解決しました。
「臭いかもしれない」と考えることがストレスとなり、玉ねぎのようなニオイがしていたので、まずは「私は臭くない」と念じました。
そうすると不思議なことに、上半身からもわもわと湧いていたニオイがしなくなってきたのです。
もわもわを感じなくなったことで、臭くないという自信がつき、ストレスもなくなりました。
不安なことや嫌な思いがストレスの原因になっているのなら、まずは何も考えずボーーッとする時間を持つのも良い方法だと思います。
適度な運動
ジョギングや早歩きのウォーキングをすると、脳内でセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれるもので、心身をリラックスさせる効果があります。
体を動かすことで、気分もリフレッシュできるのでストレス発散にはもってこいです。
大きな声を出す
大きな声を出したり歌を歌うと、腹式呼吸になるため副交感神経が優位に立ち、リラックス効果を得られます。
カラオケに行って大声で歌うというのは、理にかなったストレス発散方法なんですね。
いっぱい笑う
笑うとエンドルフィンやセロトニンなどの幸福感をもたらす脳内ホルモンが分泌され、ストレスが緩和されます。
リラックスしたことにより、自律神経のバランスも整い胃腸の調子も良くなります。
思いっきり泣く
ストレスを感じると急激に分泌が増える「コルチゾール」というホルモンがあります。
涙にはこのコルチゾールを体外に排出する作用があるため、泣くことはストレスのデトックスにつながるのです。
また、泣くことで副交感神経が優位に立ち、リラックスした状態も得られます。
マッサージやストレッチ
マッサージやストレッチをすると幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され、心身をリラックスさせる効果が得られます。
自律神経のバランスも整うので、心が安定しやすくなります。
質の良い睡眠をとる
脳は寝ている間に記憶や情報の整理をします。
日中あった嫌なことを寝る前にもやもやと考えていても、翌朝目覚めると「ま、いっか」とどうでもよかったことのように感じるのはそのためです。
6時間以上眠ると、疲労感が改善され、ストレスも感じにくくなるそうですよ。
しかし、寝つきが悪かったり、夜中何度も目が覚める細切れ睡眠だと、せっかく寝ても逆に疲れてしまうことも。
質の良い睡眠には枕も大切なアイテムです。
脳をしっかり休めるためには、枕を替えてみるのもいいかもしれませんね。
食べ物で体の内側を整える
内臓の働きが弱まることもストレス臭の発生にかかわります。
そのため、食べ物で腸内環境を整えたり肝機能を高めると、それにより発生していたストレス臭を軽減させることができます。
- 善玉菌を増やして、腸内環境を整える
- オルニチンを取り入れて、肝機能を高める
- 抗酸化作用のあるものを食べる
善玉菌を増やして、腸内環境を整える
ストレスや緊張で腸の動きが悪くなると、腸内で悪玉菌が増え老廃物が腐敗し、悪臭が発生します。
そのニオイが血液に溶け出し、全身を巡りながら汗や皮膚からストレス臭として放たれるのです。
そのため、ストレス臭を改善するには、腸内環境を整えることも得策と言えます。
悪玉菌をやっつける善玉菌を増やすコツは、エサとなる乳酸菌を取り入れることです。
乳酸菌は味噌や納豆、キムチ、チーズなどの発酵食品に多く含まれています。
しかし、熱に弱い性質をしているので、味噌汁にすると乳酸菌は死んでしまうのです。
そのため、生きたまま腸に乳酸菌を届けるには、やはりヨーグルトが一番手っ取り早いでしょう。
ヨーグルトの酸っぱさが苦手な方は、ヤクルトやピルクルなどの乳酸菌飲料もおススメです。
オルニチンを取り入れて、肝機能を高める
ストレスにより肝機能が弱まると、分解されるはずのアンモニアがそのまま血液中に溶け出し、汗や皮膚からストレス臭として放出されます。
それを防ぐためには、肝機能を高めることが不可欠です。
肝臓でアンモニアを無毒化してくれているのは、オルニチンというアミノ酸。
オルニチンを取り入れれば肝臓が元気になり、アンモニアを上手に分解処理してくれるので、ストレス臭が軽減されるというわけです。
オルニチンを多く含むことで有名なのはシジミですね。
また、意外にもキノコにもたくさんオルニチンが含まれているらしいので、上手に活用して肝臓を元気にしてあげましょう。
抗酸化作用のある食べ物
体内で活性酸素が増えると皮脂の酸化が進み、あぶら臭い体臭の元になります。
抗酸化作用のある食べ物を食べて、活性酸素が増えるのを防ぎましょう。
- ピーマンやほうれん草などの緑黄色野菜
- じゃがいも、かぼちゃ
- 納豆、豆乳などの大豆製品
- わかめ、こんぶ、ひじきなど海藻類
- 緑茶
などがありますが、揚げ物やお肉などの食べすぎに気をつけて、バランスの良い食事をとるのが一番いい方法でしょう。
まとめ
緊張やストレスを抱えたときに発生する謎の体臭「ストレス臭」
緊張状態やストレスを抱えたときに、
- ネギやニンニクのような硫黄化合物の臭い
- 酸っぱかったり、あぶら臭いニオイ
- ツンとしたアンモニアの臭い
そんな臭いを感じたら、ストレス臭を疑ってみてください。
ストレス臭が発生する原因は
● 活性酸素の増加
● 肝機能の低下
● 腸内環境の悪化
です。
体はあなたのストレスを敏感に察知し、臭いを発して信号を送っているのかもしれません。
体が悲鳴を上げる前に、自分の体をいたわってあげましょう。
ストレスを発散して、リラックス状態を作れば自然とストレス臭も改善していきますよ。
また、「自分の体臭が気になる」というストレスで、さらなるストレス臭も生まれます。
そんな時は、いっそのこと「私は臭くない!」と言い聞かせ、意識をニオイから遠ざけるのもいい方法です。
臭いに対するストレスから解放されれば、不思議とストレス臭もしなくなるものです。
私はこの方法でいつも改善できていますので、だまされたと思ってやってみてください。
あなたのストレス臭が少しでも軽くなりますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。