アポクリン汗腺なんていらない!存在する意味はあるのか?

脇に塗る

 

ワキガ臭をもたらすアポクリン汗腺。

これさえなければ、ニオイに悩まされなくて済むのに…

そう考えると、どうしてアポクリン汗腺があるのか疑問に感じませんか?

 

実は、アポクリン汗腺にはきちんとした存在意義があったんです。

今回はアポクリン汗腺がどうして存在するのかについて深掘りしていきます。

 

 

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アポクリン汗腺はどうしてあるの?

はてな

 

アポクリン汗腺ってワキガのニオイの原因だけど、
あれって、ある意味あるのかな?
あんなに不要なものって他にないよね!
なんであるんだろ、なくていいのに…

 

ワキガ臭を発生させて、ワキガ体質の人を悩ませる厄介者のアポクリン汗腺。

「これほどいらないものはない!」 と言いたくなりますが、存在するからには何か意味があるのでしょうか?

 

フェロモンとしての役割

かつて、人間が原始的生活をしていた時代、異性との性的交友や縄張りなどの自己主張の場で、フェロモンが重要な役割を果たしていました。

人間はニオイというフェロモンを出し、お互いに性的興奮を高めあい子孫を残してきました。

生きていくため、子孫を残していくための手段として、フェロモンは必要不可欠だったわけです。

 

そして、

そのフェロモンの発生源こそ、アポクリン汗腺だった

のです。

 

現代人はフェロモンを受け取る機能が退化している

しかし、人類は進化の過程で、アポクリン汗腺から分泌されるフェロモンを、フェロモンとして受け取る機能を失ってしまいました。

さらに、異性への性的アプローチがニオイではなく、外見重視の視覚に訴えるものになったため、アポクリン汗腺から発生するニオイは、フェロモンとしての役割を果たさなくなってしまったのです。

 

唯一の役割であるフェロモンとしての機能を持たないのなら、アポクリン汗腺は存在する意味がないも同然ではないでしょうか。

 

アポクリン汗腺はほぼ退化している

人類の進化

 

もともと人類は毛むくじゃらの哺乳類で、体毛には体温を維持する役割と、紫外線や虫刺されなどから皮膚を守るという役割がありました。

 

しかし、人類は進化する過程で二足歩行になったり、地球の気温が高温化する変化の中で、暑い時は汗をかいて体温調節をおこなったり、寒い時は獲物の毛皮を身にまとい、体温を維持するという術を手に入れていきました。

 

それにより、体温調節の発汗をつかさどるエクリン汗腺は発達していき、体を覆っていた毛はどんどん退化していったのです。

エクリン汗腺は人類の進化とともに発達していき、
逆にアポクリン汗腺は体毛とともに退化していきました。

ただし、すべてのアポクリン汗腺が消滅したわけではありません。

体の一部にはしっかり残っているのです。

 

残ったアポクリン汗腺が存在する場所とは

白いシャツ

 

体毛とともに退化していったアポクリン汗腺ですが、すべての人間の体の一部に現代でも残っています。

それは、

脇、耳の中、乳輪、外陰部などの毛が多く生えている場所

に集中しています。

 

中でも、代表的なのは脇部分です。

 

あせ子
ワキガという呼び方の由来は、
脇のニオイが強烈だからなんだって。

 

腋(ワキ)の下(ガ)で発生するニオイが一番強烈なことから「ワキガ」と呼ばれるようになったようです。

 

ワキガのニオイがする人としない人がいるのはどうして?

すべての人にアポクリン汗腺は残っていますが、ワキガ臭がする人としない人がいますよね。

この違いは遺伝によるものが大きく関係していて、アポクリン汗腺の数や大きさが人によって違うからなんです。

アポクリン汗腺の数が多く、汗腺のサイズが大きい人はニオイも強くなります。

 

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フェロモン時代の名残がある

手でハート

 

アポクリン汗腺がフェロモンとしての機能を失った今でも、ニオイが強くなるタイミングにフェロモン時代の名残があります。

それは、性的興奮を感じた時、つまり子孫を残す行為をする時なのです。

 

性的興奮でアポクリン汗腺が暴走する!?

好きな人と性行為を行うときは、誰だって興奮しますよね。

それはごくごく当たり前で正常なことなのですが、その興奮によってニオイが強くなってしまうのです。

 

そのわけは、

性的興奮を感じることで、交感神経の働きが高まりアドレナリンの分泌が促される

ためです。

これらはアポクリン汗腺を刺激するため、ニオイも強くなってしまいます。

 

また、ワキガ臭を発生させるアポクリン汗腺は、脇以外にも乳輪や外陰部にも存在しています。

● 乳輪から出たニオイをチチガ

● 外陰部から出たニオイをすそワキガ

といい、普段の生活で特にニオイを発していなくても、性的興奮により刺激されたアポクリン汗腺のせいで、乳輪や外陰部からもニオイを出すことがあるのです。

 

 ワンポイント

アポクリン汗腺は性ホルモンの影響を受けるため、第二次性徴を迎える思春期(個人差はありますが、初潮を迎える11歳頃から15歳頃)になると発達し始め、ワキガ臭を発生するようになります。
したがって、赤ちゃんや子供はアポクリン汗腺がまだ発達していないので、遺伝でワキガ体質であったとしても、ワキガ臭はまだ発生しないのです。

 

まとめ

 

太古の昔は子孫繁栄のために重要な役割を果たしていたアポクリン汗腺も、現代ではただの厄介者になってしまいました。

 

ニオイ=フェロモン、ではなく
ニオイ=不快なもの、不潔なもの

 

という認識があまりにも強くなっているためです。

 

フェロモンという役割がなくなった現代において、誰も得をしないワキガ臭。

不要な体毛がなくなったように、いつの日かアポクリン汗腺もすべて退化する日がくるといいですね。

しかしそれは、私たちには関係のない未来の話になるでしょうが…。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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