舌磨きはしないほうがいい?舌苔の取りすぎによるデメリットとは

舌を出した女の子

舌表面に付着している白いカスを舌苔(ぜったい)と言います。

これは口臭の原因になるので、放置していると口が臭くなります。

 

しかし、巷では

 舌苔は取らないほうがいい

 舌磨きをするのは良くない

 舌磨きは意味がない

などとも言われています。

 

結論から言いますと、舌磨きは口内環境を正常に保つためにやるべきです。

ただし、乱暴にこすったり、やりすぎると逆効果にもなるのです。

ではどうしたらいいのか?

 

この記事では、

  •  舌苔の基礎知識
  •  舌苔を放置するとどうなるのか
  •  舌苔の正しい取り方
  •  舌苔の取りすぎによるデメリット
  •  舌苔の発生を抑える方法

などについて解説していきます。

 

書いた人

 

 

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舌苔とは一体なにもの?

舌苔

舌をべーっと出すと、白いものが付着していませんか?

それが舌苔です。

 

これは、食べかすや舌の表皮、口腔粘膜、汚れなどが付着して舌表面が白く苔が生えたように見えているものです。

この舌苔に含まれるタンパク質が口内の嫌気性菌によって分解されると、揮発性硫黄化合物というガスを産生し口臭の原因となります。

 

舌苔はどうして生えるの?

 

そもそもどうして舌苔は生えるのでしょうか?

その主な理由はこちらの3つ

  •  唾液が不足しているため
  •  舌の位置が悪いため
  •  口呼吸をしているため

ひとつずつ見ていきましょう。

 

唾液が不足しているため

唾液には口内の細菌の繁殖を抑え、むし歯を予防したり口臭の発生を抑えるなどの働きがあり、天然のデンタルリンスとも呼べるほど、口腔内にはなくてはならない存在です。

その唾液が十分に分泌されていれば、口腔内の汚れや細菌は少ないため、舌苔も生えにくい環境となります。

しかし、水分不足の状態では唾液の元になる水分が少ないため、唾液の分泌が減ってしまい、結果、舌苔が生えやすくなるのです。

 

ストレスや緊張でも唾液が減る

ストレスを感じたり緊張すると、唾液の分泌をつかさどる自律神経に影響を及ぼし、交感神経が優位に立つため唾液の分泌が抑えられてしまいます。

 

お酒も唾液を減らす

お酒の飲みすぎは脱水症状を引き起こします。

それは、

  •  アルコールを分解する際に大量の水分を必要とするため
  •  利尿作用があるため

です。

そのため、お酒を飲みすぎると唾液が減少し、舌苔が生えやすくなるため、口臭悪化につながるのです。

 

舌の位置が悪いため

舌は通常、上あごの天井部分にくっついているのが正解です。

その部分は硬口蓋(こうこうがい)と言って、ボコボコとしていてまるで洗たく板のような形状です。

この洗たく板こそが、舌苔をとるのに良い働きをしてくれます。

 

洗たく板に舌がこすれあうことで、自然と舌表面についた汚れをはがすことができます。

また、常に舌は唾液で濡れることになるため、細菌の繁殖も最小限に抑えることができるのです。

 

舌の筋力が弱っている人は要注意

舌の筋力が弱っていると、上あごから舌がはなれてしまいます。

そうなると、洗たく板で舌表面のお掃除ができない上に、密着していないため舌が乾燥し、舌苔が発生しやすくなるんですよ。

 

口呼吸をしているため

口が半開き

口呼吸をしている場合、口は開いていますよね。

試しに口を半開きにしてみてください。

舌の位置は上あごについておらず、下あご部分にありませんか?

そうなると、舌は常時空気に触れ、自然と乾燥していきます。

 

その状態では、唾液は出てきてもすぐに乾燥するため、唾液による口内の細菌抑制はできません。

また、上あごの洗たく板による舌のお掃除もできなくなるので、必然的に舌苔が発生するのです。

 

舌苔をそのままにしておくと、どうなるの?

 

舌苔は食べかすや舌の表皮、汚れなどが付着して白く見えているものですので、これをそのまま放置していると・・・

  •  口臭の悪化
  •  歯周病やむし歯の進行
  •  味覚障害

を引き起こします。

ひとつずつ見ていきましょう。

 

口臭を悪化させる

口の中には何もしなくても、虫歯菌や歯周病菌などたくさんの細菌がすみついています。

そのため、舌に付着した舌苔は細菌にとっては「ごちそうそのもの」

 

舌苔に含まれるタンパク質を口内の嫌気性菌が分解すると、揮発性硫黄化合物を産生し、口臭の元になります。

舌苔のサイクル

 

また、舌苔を放置しておくと、細菌が繁殖しさらなる舌苔の形成につながるという悪循環を繰り返します。

 

歯周病やむし歯を進行させる

舌磨きをしていない舌には食べかすや汚れなど、歯周病菌やむし歯菌の好むものがたっぷり付着しています。

つまり、それらの菌の繁殖を促すことになり、むし歯や歯周病を進行させることになりかねないのです。

歯みがきをして歯の表面をきれいにしても、舌にエサがついたままなので台無しになります。

 

味覚障害の原因になる

舌表面には味蕾(みらい)という味を感じる器官があります。

舌磨きをしないで舌苔を蓄積させていくと、味蕾の邪魔をして味を感じにくくなります。

そのせいで、濃い味でないと感じ取れなくなり、塩分の取りすぎなどで健康被害も起こしかねないのです。

 

舌磨きをしないで舌苔をため続けると、このような弊害があります。

口内環境を正常に保つためには、舌磨きはやったほうが良いのです。

 

やさしい舌磨きは口臭予防に効果的

正解

舌苔は口内環境が正常であれば、それほど発生しません。

しかし、ストレスが多かったり舌の位置が悪いと、どうしても発生してしまいます。

その場合は、ゴシゴシと強くこするのではなく、やさしく取り除くようにしてください。

 

舌磨きのやり方とタイミング

舌磨きをする際は、舌表面を傷つけないのが重要です。

そのためには、舌磨き専用ブラシが最適ですが、なければ歯ブラシでもかまいません。

ただし歯ブラシの場合は、力の加えすぎに注意して軽くなでる程度にしましょう。

 

【やり方】

  1.  舌をベーッと伸ばす
  2.  舌の奥から前に向かって、舌表面をやさしくなでる
  3.  5回ほどなでたら終了

 

やりすぎは厳禁です。

舌磨きのタイミングは

  •  一日一回
  •  朝の歯磨き時

 

寝ている間は唾液の分泌が減るため、汚れや細菌がたまります。

一番舌が汚れている朝の歯磨き時におこないましょう。

 

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舌苔のとりすぎによるデメリット

NG

舌磨きはおこなったほうが口臭予防に効果的ですが、やりすぎ、取りすぎはダメです。

 

その理由は

  •  唾液が減って口臭悪化を招く
  •  味覚障害になりかねない
  •  さらなる舌苔を発生させる

このような事態になりかねないからです。

ひとつずつ見ていきましょう。

 

唾液が減って口臭悪化を招く

   舌を強く磨いたり必要以上にこする   

           ↓

  口腔粘膜や舌粘膜が傷つき炎症を起こす  

           ↓

舌が正常に機能しなくなり、唾液の分泌が減る 

           ↓

口内の細菌抑制ができないため、口臭が悪化する

舌を強くこすりすぎると唾液の分泌を減らし、結果的に口臭を悪化させます。

口臭をなくすために舌磨きをしているのに、逆効果になってしまうのです。

 

味覚障害になりかねない

舌表面には、味を感じる味蕾という器官があります。

舌の磨きすぎで味蕾を傷つけてまうと、味覚を感じにくくなってしまいます。

 

しかし、味蕾を傷つけたくないからという理由で、舌磨きをせず舌苔をため込んでいると、舌苔が味蕾の邪魔をして、これもまた味覚を鈍くさせてしまうのです。

そのため、舌苔を取り除くことは必要で、やさしく取り除くことが大切になります。

 

さらなる舌苔を発生させる

口内環境が正常な人でも、舌苔は存在します。

それが普通なのです。

 

しかし、必要な舌苔まで取り除いてしまうと、生体防御反応が起こり、舌表面の粘膜を保護しようと新しい舌苔を作り出してしまいます。

そのため、口臭予防に舌苔を取ったつもりでも、逆に口臭悪化につながってしまうのです。

 

このようなことが、舌苔をとりすぎることで起こります。

しつこいですが、やさしさを忘れずに舌磨きは行いましょう。

 

舌苔の発生を最小限に抑える3つのコツ

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勝手に発生してしまう舌苔ですが、工夫次第で発生を最小限に抑えることができます。

 

そのポイントは次の3つ

  •  歯磨きをして、口内細菌を減らす
  •  舌の位置を上げて、上あごにつくようにする
  •  舌の筋肉を鍛える

ひとつずつ見ていきましょう。

 

1:歯磨きと舌磨きをして、口内細菌を減らす

当たり前ですが、歯磨きと舌磨きをすることで、口内の細菌を減らすことができます。

これは両方することに意味があるのです。

 

仮に、歯磨きだけして舌磨きをしていなければ、

  •  舌表面の細菌が歯に移動して、落としきれなかった歯垢をエサに繁殖する
  •  むし歯菌などの細菌が舌に付着した食べかすをエサに繁殖する

つまり、口内の細菌が爆発的に繁殖するんです。

これでは、せっかく歯磨きをがんばっても意味がありません。

 

ですので、歯磨きと舌磨きはセットで行うようにしましょう。

ただし、やりすぎは厳禁なので、舌磨きは朝の一回だけで大丈夫です。

 

2:舌の位置をあげて、上あごにつくようにする

上あごの天井部分は、ボコボコしていて洗たく板のような役割をしてくれます。

舌を上あごにこすりつけるだけで、舌表面はきれいになっていきますので、気づいたときは意識的にこすりつけるようにするといいでしょう。

 

3:舌の筋肉を鍛える

舌の筋肉がおとろえていて、舌が下あごのほうへ下がっていたり、口呼吸が習慣化している人は、舌の筋肉を鍛えるトレーニングをしましょう。

 

やり方はとっても簡単、道具は何もいりません。

  1.  まず口を閉じ、外側の歯茎とほっぺの境目の溝に舌を入れます
  2.  舌に力を込めて、ゆっくりと溝を這わせてください
  3.  右回り一周10秒、左回り一周10秒
  4.  これを交互に3回行いましょう

 

本気でやると、めちゃくちゃ疲れます。

 

舌を這わせる場所は、わかりやすく言えば、ごはんを食べた後、食べかすがたまる場所ですね。

人前でやるのは、とっても恥ずかしい顔になるので、マスクで隠して行いましょう。

 

継続すれば徐々に舌の筋肉が鍛えられて、自然と上あごに舌が付くようになってきます。

上あごにつくようになれば、勝手に洗たく板でこすられて、舌苔は発生しにくくなりますので、がんばって鍛えていきましょう。

 

まとめ

今回は

舌苔は取ったほうがいいのか?

それとも、そのままにしておいたほうがいいのか?

について深掘りしていきました。

 

【結論】 舌磨きは口内環境を正常に保つために、やったほうがよい

ただし、やりすぎ・取りすぎは逆に口臭悪化を招くので要注意、ということがわかりました。

 

強くこすったり舌苔の取りすぎは、唾液の分泌を減らして口臭悪化を招いたり、味覚障害も引き起こしかねません。

舌磨きをする際は、やさしさを忘れないようにしましょう。

 

力加減がわからないから歯ブラシでするのは怖いなぁ、という方は舌磨き専用の「舌ブラシ」を活用してくださいね。

ドラッグストアやディスカウントストアで購入できます。

やさしく、かつ効率的に舌苔が取り除けますよ。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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